- 2021/08/09 掲載
ECB、インフレ対応で必要なら政策引き締めるべき=独連銀総裁
ユーロ圏諸国は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)への対応で借り入れを増やしており、ECBが政策を引き締めた場合、債務返済コストが増大する可能性がある。
ワイトマン総裁は「ECBは国家の債務返済能力を保護するために存在する訳ではない」と指摘。インフレ見通しが持続的に上向いた場合、ECBは物価安定目標に沿って行動する必要があるとし、「われわれは物価見通しによって必要になれば、金融政策を引き締めることを繰り返し明確にしなければならない。その際、国家の資金調達コストを考慮に入れることはできない」と語った。
ECBは7月22日の理事会で、低迷するインフレを促進するため、物価の一時的な上振れを容認し、低金利をさらに長期間継続すると表明した。また、感染力の強い新型コロナウイルス変異株「デルタ」の感染拡大がユーロ圏の回復のリスクになっていると警告した。
ウェルト紙によると、ワイトマン総裁は「インフレ率の上昇を排除しない」とし、「いずれにしても、インフレ率が過度に低くくなるリスクだけではなく、過度に高くなるリスクにも注視すべきだろう」と主張した。
第2・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)は予想を上回る伸びを示し、新型コロナ感染拡大で引き起こされたリセッション(景気後退)から回復。コロナ関連規制の緩和が寄与して7月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)は前年比2.2%上昇と、ECBの目標である2%上昇を上回った。
ワイトマン総裁は、ECBが政策を引き締める時期と判断した場合、「資産買い入れプログラム(APP)」を縮小する前に、まず「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」を終了する見込みだと指摘。
「まずPEPPを終了して次にAPPを縮小し、その後に金利を引き上げるという順序になるだろう」と語った。
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