独輸出、6月は予想超える増加　供給停滞が今後影響する可能性

［ベルリン　９日　ロイター］ - ドイツ連邦統計局が９日発表した６月の貿易統計によると、輸出は、製造業のサプライチェーンが停滞しているにもかかわらず予想以上に増加した。

輸出は季節調整済みの前月比で１．３％増加。５月は同０．４％増に改定された。

輸入は前月比０．６％増加。５月は同３．４％増加だった。

ＶＰバンクのアナリストは、輸出はこれで１４カ月連続増加となったと指摘した。

貿易黒字は１３６億ユーロで、５月改定値の１２８億ユーロから拡大した。

ロイターがまとめたアナリストの予想は輸出が０．４％増加、輸入が０．５％増加で、貿易黒字が１３４億ユーロだった。

新型コロナウイルスのパンデミックが始まる前の２０２０年２月と比較すると、輸出は季節調整済みで１．１％、輸入は１０％それぞれ上回り、力強い内需、コロナ危機中の大規模な財政出動の効果が鮮明になった。

前年比では輸出が２３．６％増加、輸入は２７％増加した。欧州連合（ＥＵ）以外で２大貿易相手国の米国、中国との貿易が寄与した。

米国向け輸出は前年比約４０％増加、中国向けは１６％増加。英国向け輸出は１１％増加、英国からの輸入は１１．５％増加した。

ＶＰバンクのアナリストは、製造業で中間財が調達しづらい状況になっていることが、近く顕著に輸出に反映される可能性があると指摘した。

ドイツ連邦銀行（中央銀行）は先月、パンデミックとの戦いで「大幅な後退」がなく、供給のボトルネックが緩和すれば夏の間に経済成長が加速し、第３・四半期末には、パンデミック前の水準を取り戻すと予想した。