- 2021/08/20 掲載
パナソニックら3社、避難所の衛生ストレス問題に対して産学連携プロジェクトを開始
近年国内では頻発する大規模災害により、被災者の避難所生活への備えと支援に対する関心が高まっています。避難生活では生命維持のための最低条件の確保に始まり、身体と精神の健康維持、さらには生きる活力の醸成と、時間を追って求められる内容は変化することが報告されており、このような環境整備へのガイドライン策定の検討は、公的機関やNPOなど民間団体ネットワークにより活発に行われています。
これまで、YRK and内のイノベーション・エージェント UCI Lab.(以下、UCI Lab.)と京都工芸繊維大学 デザイン・建築学系 櫛研究室(以下、櫛研究室)は、イノベーションとデザインの視点から避難所生活の質向上について貢献領域を模索してきました。そして、当事者へのオンラインインタビューや授業でのデザインプロトタイピングを実施した結果、数多くある問題の中でも、日常生活で当たり前にできていた衛生習慣が困難になることや、新型コロナウイルス感染症の拡大によるコミュニケーションのあり方の変化など、衛生に関わる心理的な負荷「衛生ストレス」という問題が浮かび上がってきました。
この度発足した「避難所の衛生ストレス解決プロジェクト」は、イノベーションとデザインを通じて上記の問題解決を図るものです。コロナ禍の環境に留意しつつ、可能な限り現地に赴いて被災者・支援者に対するインタビューや対話などのフィールドワークを行い、現場の状況に根ざした緻密な衛生ストレス問題の解釈に努めます。そして、デザイン思考を学ぶ学生ならではのユニークな視点のデザインシナリオと、パナソニック独自のクリーンテクノロジーである「ナノイーX」や「オゾンウォーター」などを組み合わせて、避難所生活の質向上に向けたソリューションの具現化を目指します。
加えて、UCI Lab.と櫛研究室は「ひとごごちデザインラボ」を設立。主にWebサイトを中心に、現場で見聞きした当事者の声を紹介したり、デザイン過程の共有などを通じて本プロジェクトの活動プロセス自体を社会にひらき、さらなる協働を模索していきます。
◇プロジェクトの概要
本プロジェクトは、デザイン思考で創出したソリューションが現場に実装され、避難所の衛生ストレス問題解決に貢献することを目指します。そこで、できるだけ実際の現場の状況を体験した当事者の声や有識者の知見を学び、さらにアイディアや試作を通じた対話を重ねて、現場と共にデザイン=問題解決を創造するような「コ・デザイン」の実践を試みていきます。
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