• 2021/09/02 掲載

感染症の影響長期化も、物価目標達成へ緩和強化必要=片岡日銀委員

ロイター

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[東京 2日 ロイター] - 日銀の片岡剛士審議委員は2日、長崎県金融経済懇談会(オンライン形式)で挨拶し、新型コロナウイルス変異株の感染拡大などで感染症の影響が想定以上に長期化するリスクが十分あり得ると警戒感を示した。物価の停滞が長期化するリスクが強まる可能性があり、長短金利の引き下げやフォワードガイダンスの修正を通じて金融緩和をさらに強化することが望ましいと述べた。

片岡委員はこれまでの金融政策決定会合で、ボードメンバーの中で唯一、金融緩和の強化を提案してきた。コロナ対応の資金繰り支援策や流動性供給だけではなく、物価目標を早期に達成し、日本経済が力強い成長軌道に戻ることを支援する政策が必要との考えからだという。

挨拶では、長短金利の操作目標について「コロナ後を見据えた前向きな設備投資など成長投資を後押しする観点から、積極的に国債を買い入れ、長短金利を引き下げることが適当だ」と指摘。金融緩和によって成長投資を後押しすることは「感染症の抑制と必ずしもトレードオフの関係にはない」と述べた。

また、財政・金融政策のさらなる連携が必要であり、日銀としては「政策金利のフォワードガイダンスを物価目標と関連づけ、具体的な条件下で行動することが約束されている強力な内容に修正することが適当だ」と語った。

<リスク・バランス、下振れ方向に留意>

世界経済については回復がしっかりしたものになってきているが、感染症の動向や国際商品市況など様々なリスク要因があると指摘した。一方、日本経済もワクチン接種の進捗や外需の拡大などを通じて回復基調をたどることが予想されるが、見通しに対するリスク・バランスは、感染症の影響を中心に当面は下振れ方向に留意する必要があるとした。

片岡委員は、感染症の拡大は公衆衛生上の措置の強化や家計・企業のマインド悪化を通じて個人消費や企業の設備投資を縮小させ、さらに「需給ギャップを供給超過方向に悪化させることを通じて、物価の低下圧力として作用する」と指摘。物価上昇率が停滞する期間が長期化するほど、過去の物価動向に基づいて期待が形成されやすい日本では予想インフレ率が上昇しにくくなるとした。

輸出については中国を含めたアジア向けが堅調と指摘。輸出全体としては世界経済の成長率の高まりに伴って当面増加基調を続けていくとの見方を示した。

(和田崇彦、杉山健太郎)

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