- 2021/09/09 掲載
米カーライル、日本のユニコーン企業Spiberに100億円出資へ
カーライルにとっては、株式の過半に満たないマイノリティーでの成長投資は今回が国内で初の案件となる。
Spiberは、カーライルのほか、米資産運用会社フィデリティや英ベイリー・ギフォードなどから資金調達する。調達後の株式評価額は約1350億円。
Spiberが開発した人工合成タンパク質素材は、植物由来のバイオマスを主な原料とし、石油由来の素材や毛皮などの代替として使用できる。
同社の共同創業者である関山和秀氏は6日、ロイターとのインタビューで今回の資金調達について、早ければ2023年に稼働を開始する米国工場の立ち上げや数年以内を目標とするIPO(新規株式公開)までに事業を運転していくための資金だと説明した。
未公開企業の資金調達は着実に伸びており、スタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL」によれば、日本のスタートアップ企業による資金調達額は、今年の1―6月に3000億円を超え、半期として過去最大となった。
海外勢も存在感を増しており、上半期に行われた大型の資金調達には米投資ファンドKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)やセコイア・キャピタルなどが加わった。
カーライルも引き続きスタートアップ企業への投資を増やす方針を示しており、昨年設立した日本でのバイアウト投資向け4号ファンドの調達額2580億円のうち約1割を成長投資案件に振り向ける予定だ。
同社の渡辺雄介マネージングディレクターは6日のインタビューで、経営基盤の強化など今までバイアウトで培ったノウハウを企業に提供することで、企業の成長に貢献することができるとしている。
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