- 2021/09/11 掲載
自動車減産が長期化=挽回シナリオに暗雲
トヨタ自動車が10日、大規模な追加減産を発表した。半導体需給の逼迫(ひっぱく)に加え、東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大による部品の調達難が打撃となり、自動車メーカー各社の減産は長期化。2021年度後半に生産を挽回させるという各社のシナリオには暗雲が漂い、業績に影響が出かねない情勢となっている。
トヨタはこれまでも国内外での減産が相次いだが、21年度の生産台数見通しは据え置いてきた。減産分は、同年度後半に増産して埋め合わせる想定だったためだ。
しかし、10日には見通しを930万台から900万台程度に初めて下方修正した。熊倉和生調達本部長はオンライン説明会で、今後の生産に関し「できるだけ挽回したいが、21年度後半は計画(台数)自体が高い」と語った。
ホンダや日産自動車など他のメーカーも、21年度後半に生産を盛り返したい考えだが、回復への道筋は見えない。トヨタは21年度の連結営業利益予想(2兆5000億円)を据え置いた。ただ、別の自動車大手幹部からは「生産の挽回は難しく、21年度業績への打撃も覚悟しないといけない」との声も漏れ始めた。
【時事通信社】
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