- 2021/10/07 掲載
景気判断、5地域引き下げ 自動車部品の供給制約が影=日銀報告
[東京 7日 ロイター] - 日銀は7日に公表した地域経済報告(さくらリポート)で全9地域中、東北・東海・近畿・中国・九州沖縄の5地域の景気判断を引き下げた。夏場の感染拡大に加え、東南アジアからの自動車部品の供給制約に伴う一部の減産の影響が出た。景気判断の5地域引き下げは2020年7月以来。
<挽回生産の時期に不透明感>
需要項目別で、生産は東北・東海・中国・九州沖縄の4地域で判断を引き下げた。自動車部品の供給制約が影を落とし、自動車の比率が低い四国は電気機械や生産用機械の堅調推移で判断引き上げとなった。
調査対象の企業からは、自動車メーカーの減産の影響で自動車部品の生産調整が続き「先行きも減産の継続を余儀なくされる可能性がある」(広島、自動車関連)との声が出ていた。
一方で「海外からのPC・データセンター用部品の需要は引き続き堅調でフル生産の状態が継続している。先行きについても、当面は高水準の輸出・生産が続く見通し」(名古屋、電子部品・デバイス)との指摘もあった。
日銀の担当者は部品の供給制約について、企業から影響は一時的との見方が出る半面、「挽回生産のタイミングを巡っては、先行き不透明感をみな指摘していた」と話している。
<個人消費、先行きに期待感も>
個人消費は、東北・東海・近畿・中国・四国の5地域で判断引き下げ。新型コロナウイルス感染症の影響で引き続き厳しい状況が続いているものの、企業からは前向きなコメントも出ていた。「ワクチン接種済みの人向けに飲食代金を割り引くサービスを開始したところ、ワクチン接種を終えた客の利用が徐々に増えている」(金沢、飲食)といった指摘が出ていたほか、政府がコロナワクチン接種者の行動制限を緩和する方針を打ち出していることで「紅葉シーズンに向けて観光客が増加に転じることを期待している」(青森、宿泊業)との声が出ていた。
(和田崇彦)
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