- 2021/10/20 掲載
FRB、高インフレ続けば「積極的な」対応必要=ウォラー理事
スタンフォード大学経済政策研究所での講演で、米経済は現行の新型コロナウイルス感染による最悪期を脱したと指摘。労働力不足など供給上の問題は時間の経過とともに緩和され、「インフレ拡大は一過性のものになるだろう。需給が物価上昇を抑制するように作用し、インフレ率は(FRBが目標として設定している)2%に回帰する」とし、FRBによる利上げは「まだしばらく先だ」とした。
一方で、リスクが変化しており、現在の急速な物価上昇が続くかもしれないという「大きな懸念」を抱いていると言及。「これまでの高インフレが一過性かどうかを見極める上で今後数カ月が重要」との認識を示し、インフレ率が年内高止まりすれば、「2022年にはテーパリング(量的緩和の縮小)だけではなく、より積極的な政策対応が正当化されるかもしれない」と語った。
また「消費者が価格上昇を受け入れているように見えるため、企業はここ数年で最も価格決定力が高まっていると報告している」とし、「中古車価格や食品価格、エネルギー価格、インフレ期待に関する家計調査など一連のデータを取捨選択する際には注意が必要だ。データを異常値と見なすのは警戒すべき」とした。
このほか、高インフレが想定以上に長引く可能性がある一方、労働市場は引き続き改善しており、1970年代のようなスタグフレーションに陥る可能性は低いと強調。米国の失業率はパンデミック(世界的大流行)下で付けたピークの14.8%からわずか16カ月で4.8%に低下し、「信じられないほど」改善したと述べた。
PR
PR
PR