- 2021/10/28 掲載
午前の日経平均は続落、企業決算を嫌気 ファナック8%超安
27日の米国株式市場は、ナスダック総合がほぼ変わらずで終了。好決算を手掛かりに上昇したマイクロソフトとグーグルの持ち株会社アルファベットが下支えとなった。一方、原油相場下落と米債利回り低下がシクリカル(景気循環)銘柄を圧迫し、S&P総合500種は下落。ダウ工業株30種平均も4営業日ぶりに反落した。
市場では「国内では下方修正を発表する企業が相次いでおり、改めて半導体不足や資源高が与える影響が警戒されている。企業決算を材料視した売りは当面続くのではないか」(国内証券)との指摘もある。
TOPIXは0.69%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆5959億7900万円だった。東証33業種では、鉱業、石油・石炭製品、鉄鋼、保険業、電気・ガス業などの27業種が値下がり。空運業、化学工業などの5業種は値上がりした。
個別では、ファナックが3日続落し8%超安。1銘柄で日経平均を約71円押し下げた。27日に下方修正を発表した通期業績見通しが、市場コンセンサスを下回ったことなどが嫌気された。
そのほか、富士通も大幅反落。通期業績予想は据え置いたものの、市場予想を下回ったことなどが嫌気された。下方修正を発表した日立製作所も反落。
一方、上方修正を発表した日本航空電子工業、SCREENホールディングスはしっかり。東証1部の値上がり率上位を占めた。東京エレクトロン、アドバンテスト、信越化学工業などの半導体製造関連も堅調だった。
東証1部の騰落数は、値上がりが734銘柄、値下がりが1330銘柄、変わらずが115銘柄だった。
<10:20> 日経平均は安値圏でもみあい、企業業績に対する不安高まる
日経平均は安値圏でもみあい。半導体供給不足や原油価格急騰などを理由に、今期見通しを下方修正する企業が相次ぎ、企業業績に対する不安が高まり、慎重な投資家が増えてきた様子がうかがえる。一方では「市況産業をはじめ、半導体不足の影響が小さい企業や原油高がプラスに働く企業の上方修正が目立つ。それらは買われ、物色が二極化する傾向が生じてきた」(雨宮総研・代表の雨宮京子氏)という。
市場では「きょうの引け後に発表されるソニーグループなど注目企業の決算発表を見極めたい」(野村証券・投資情報部ストラテジストの神谷和男氏)との声も聞かれた。
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