- 2021/11/02 掲載
情報BOX:FBで話題のメタバース、注目すべき関連企業
メタバースは異なるデバイスからアクセス可能で、デジタル空間を自由に行き来できる、共有された仮想世界という理解が一般的。フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が大型ロボットや古代ローマへのデジタル旅行といった形で派手に宣伝したずっと前から、実は多数の企業が「レディ・プレーヤー1(スピルバーグ監督の仮想ネットワークを舞台としたSF映画)」が描く未来に使えるかもしれないソフトウエアやハードウエアを作成し続けている。
このメタバースが完全に実現するにはあと10年以上かかる可能性がある。大手のテクノロジー企業間の協力も必要になるだろう。6月には投資会社ラウンドヒル・インベストメンツが、メタバース関連事業から利益を得るための上場投資信託(ETF)を立ち上げた。フェイスブックによる社名変更発表の数時間前には、別の投資会社が似たようなETFを設立している。
メタバースに関係している企業は以下の通り。
◎ロブロックス
今年上場を果たしたゲーム総合サイト大手のロブロックスはメタバースについて、「人々が学習、労働、遊び、創作、社会化のための数多くの3次元体験を共有できる場所」と想定している。同社が目指しているのは、ユーザーと開発者にデジタル世界を創造する手段を提供すること。最高経営責任者(CEO)は、同社独自の通貨に基づく仮想経済を持つプラットフォーム上で、買い物や商取引をする未来にも言及している。
◎マイクロソフト
マイクロソフトのナデラCEOは今年、デジタルと現実の世界を融合する「エンタープライズ・メタバース」を構築すると表明した。ゲーム機「Xbox」を展開し、人気のゲームコンテンツ「マインクラフト」も世に送り出したマイクロソフトは、ゲーム業界においても重要な存在。Xboxの事業を率いるフィル・スペンサー氏は、「メタバース、ないしは複合現実構造物」に関する計画を話題にしている。
◎フェイスブック
12月1日からメタ・プラットフォームズに正式名称が変わるフェイスブックは、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)よりもメタバース企業とみなされることを望んでいる。約30億のユーザーを抱える同社はこれまでも、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)分野に多額の投資をしてきたし、ヘッドセットの「クエスト」を使ってアクセスするVR空間「ホライズン」を構築しつつある。
◎エヌビディア
半導体大手エヌビディアは、3次元の世界を共有された仮想空間とつなげるプラットフォーム「オムニバース」を構築。現実のビルや工場のシミュレーションなどに使われるオムニバースは、メタバースを築く際の基本構造という位置付け。
◎ユニティ
ビデオゲーム設計に利用するソフトウエアを開発するユニティ・ソフトウエアも、メタバース構築に使える技術や手段を販売する可能性がある。
◎スナップ
写真共有アプリのスナップチャットを運営するスナップははるか以前から、カスタム化したアバターやARフィルターを駆使し、現実世界にデジタル空間を重ねる作業を続けている。今年に入ってからは、ARを現実の生活にもたらす初のメガネを発表した。
◎オートデスク
クラウドソフトウエアのオートデスクは、建築家やエンジニアが建物および製品を設計するために使うプログラムを作成している。同社のソフトは、ゲームやエンターテインメント用の仮想世界構築にも役立つ
◎テンセント
中国のテンセント(騰訊控股)は、売上高ベースで世界最大のビデオゲーム企業。エピック・ゲームズやアクティビジョン・ブリザードといった主要ゲーム制作会社の株式も保有している。香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは今年、テンセントが傘下のインスタントメッセンジャーツール「QQ」のために、数多くのメタバース関連商標を登録したと伝えた。
◎エピック・ゲームズ
エピックは人気ゲーム「フォートナイト」を製作し、母体のシューティングゲームにダンスパーティーや仮想音楽コンサートといった要素を加えて社会体験ができる場へと発展させた。ユーザーは課金すれば自分のアバターにさまざまなドレスを着せたり、自前の島やゲームを作ったりすることもできる。
エピックは「アンリアル」と呼ばれるゲームエンジンも手掛けており、ゲーム開発だけでなくTV番組の背景といった視覚効果などにも利用されている。スウィーニーCEOは、アップルやアルファベットなど巨大プラットフォーマーを強く批判し、メタバースは誰もが参加可能な共通空間でなければならないと主張している。
◎アマゾン
クラウドサービス世界最大手で、さまざまなメディアサービスを提供しているアマゾン・ドット・コムは、メタバースにおいても一定の役割を演じるとみられている。
PR
PR
PR