- 2021/11/09 掲載
新生銀買収、SBIに説明責任=米助言大手2社が防衛策支持
新生銀行が25日の臨時株主総会で諮るインターネット金融大手SBIホールディングスへの買収防衛策について、米議決権行使助言会社大手2社がそろって支持を表明した。いずれもSBI以外の株主の保護の観点や、SBIが公的資金返済に向けた具体策を明示していない点を指摘。これまで新生銀への批判を強めてきたSBIだが、買収後の経営方針への説明責任が問われている。
議決権行使助言会社のグラスルイスとインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は、SBIがTOB(株式公開買い付け)を通じて実質的な経営権を握ろうとしているにもかかわらず、買い付けが最大48%にとどまっており、他の株主に不利益を生じさせる恐れがあると指摘。新生銀が抱える約3500億円の公的資金返済の具体策を明らかにしていない点やグループ会社が金融庁から業務停止命令を受けたことを挙げ、管理体制への懸念も示した。
企業法務に詳しいある弁護士は、臨時株主総会で「SBIの提案に一定の疑問符が付いた、という前提で株主は(防衛策発動の是非を)判断するだろう」と話す。また、ある新生銀株主は「SBIが新生銀を連結子会社化した後、どう企業価値を向上するかが見えず、判断が難しい」と明かしており、SBIが示すビジョンが不明瞭である点を問題視している。
買収防衛策の発動には、SBIも含めた株主の過半数の賛同が必要となるため、新生銀が依然厳しい情勢にあることに変わりはない。ただ、機関投資家に影響力を持つ議決権行使助言会社大手が賛成を推奨したことで、SBIも対応を求められそうだ。
【時事通信社】
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