- 2022/01/11 掲載
海外投資家の中国国債保有、昨年は過去最高 政策乖離で伸び鈍化
ただ、米中の金融政策の乖離で中国債券のイールドプレミアムが縮小する中、保有高の拡大ペースは鈍化。ロイターの算出によると、前年比では30.7%増で、20年に記録した43.7%増よりも低下した。
中国の政策銀行が発行する準ソブリン債の保有高は前月比1%増の1兆0800億元となり、過去最高を記録。前年比では18%増で、こちらも20年の84.4%増から伸びが鈍化した。
鈍化は米中利回りのスプレッド縮小を反映。10年債利回り格差は12月末までに100ベーシスポイント(bp)近く縮小し、124.52bpとなった。
スタンダード・チャータードのアナリスト、ベッキー・リウ氏とジェフリー・チャン氏は中国の金利について、22年第1・四半期は、追加の政策緩和、成長の鈍化、発行低迷により低下し続けると予想。しかし、その後の数四半期では供給の増加と成長の安定化により上昇する可能性があるとした。
ノートで「22年には中国とほとんどの先進国との間で、まれに見る金融政策の乖離が生じるだろう。上半期には再融資や再割引制度を通じた的を絞った措置に加えて、より広範な預金準備率(RRR)引き下げなど、より大幅な金融政策の緩和が実施されるリスクがあるとみている」と指摘。ただ、比較的高水準のキャリー取引やリターン向上見込みから、22年も海外からの資金流入が安定的に拡大する可能性があるとした。
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