- 2022/01/14 掲載
韓国中銀、インフレ対応で連続利上げ 追加引き締めも示唆
[ソウル 14日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は14日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、1.25%とした。インフレや家計債務の抑制に向けた対応で、新型コロナウイルス禍前の2020年3月以来の金利水準に戻った。連続利上げは07年以来だ。
李柱烈総裁はタカ派姿勢を変えず、現在の成長モメンタムが維持されればさらなる利上げの必要があると述べ、追加引き締めを示唆した。
ロイターがまとめたアナリスト調査では35人中25人が25bpの利上げを予想していた。
韓国の消費者物価指数(CPI)は21年通年の伸び率が2.5%と、11年以来の水準に加速し、中銀の予測(2.3%)も上回った。中銀は対応を迫られていた。
李総裁は記者会見で「金利を1.50%にしてもまだ引き締まった(金融政策)とは見なせない」とし、政策緩和の程度を縮小していると捉えるべきと述べた。
昨年8月以降、3回の利上げを行ったが、ロイター調査によると、韓国銀行は引き締めサイクルを継続し、政策金利は今年の第3・四半期までに1.50%に達すると予想されている。
李総裁がさらなる利上げが必要となる可能性に言及したことを受け、3年物国債先物の3月限は一時0.40ポイント安の108.25となった。
また、総裁の任期は3月までで、同じ月には韓国大統領選も予定されており、政策の先行きを巡る不透明感は強い。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が選挙前に新総裁を指名するのか、それとも次期大統領に判断を委ねるのかは不明だ。
シニョン証券の債券アナリスト、チョ・ヨング氏は「市場は韓国の政策引き締めが進行中であることを強調した李氏の発言に注目しているが、おそらく今回が李氏の任期中最後の利上げになるだろう」と述べた。チョ氏は23年前半までに政策金利が1.75%に達するとみている。
各国が新型コロナのオミクロン変異株の新たな波を乗り越えようとし、政策当局者が世界の成長見通しを評価する中、アナリストは現在の引き締めサイクルが今後数カ月は減速すると予想している。
韓国銀行は、消費者物価上昇率が「かなりの期間」3%レンジで推移するとし、昨年11月に示した今年の予想(2%)を上回ると予測。今年の経済成長率は3%となり、21年の4%(予想値)から減速するとみている。
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