- 2022/02/18 掲載
米FRB、市場との対話にウォール街が高評価 タカ派転換巡り
パウエル議長が昨年末、インフレ抑制に向けたよりタカ派的な政策スタンスの観測を強めるコミュニケーションを展開したことが評価された。
調査は1月12─18日に実施。FRBによる市場や国民との対話を1(効果的でない)から5(効果的)の5段階で評価するよう尋ねた。
今回の調査で平均点は4.08となり、10月下旬の前回調査での3.75から上昇した。
この間に、パウエル氏は政策期待を根本的にリセットする取り組みを進めた。それまでは、2022年半ば以降までFRBは利上げを開始しないとみられていたが、今では多くのエコノミストが来月から一連の利上げが実施され、その後間もなくバランスシート縮小が行われると予想している。
こうした市場の見方の変化は今回の調査にも表れている。プライマリーディーラーはFRBが7月から9月の間にバランスシート縮小を開始すると予想。2カ月前の調査と比べて予想時期が1年以上早まった。
パウエル議長の下、FRBは市場との対話に関して歴代議長の時代より総じて高い評価を得てきた。調査が初めて公表された11年以降で平均点が4を上回ったのはパウエル氏就任後のみだ。
今回の調査で大半のプライマリーディーラーは「米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者が政策見通しについて総じて明確で一貫していた」と指摘した。
一方「複数のディーラーは、バランスシート政策の見通しに関するコミュニケーションはさほど明確でない」との見方を示したという。
投資家がFRBの利上げやバランスシート縮小のペースを見極めようとする中、パウエル氏は今後数カ月間に市場との対話で一段と難しいかじ取りを迫られる見通しだ。
市場では特に、FRBが50ベーシスポイント(bp)の幅で利上げを開始するかに関心が集まっている。
パウエル氏は1月のFOMC後の記者会見以降、公の場で発言していない。
SGHマクロ・アドバイザーズのティム・デュイー氏は「パウエル氏はここ数週間、表舞台に出ておらず、この点について市場に何らガイダンスを与えていない」と指摘。3月およびそれ以降に関する市場の期待を導くのはパウエル氏のコミュニケーション次第だとした。
PR
PR
PR