• 2022/03/18 掲載

米ファンド、清水建設の日本道路TOBに延期を要請「少数株主が不利」

ロイター

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山崎牧子

[東京 18日 ロイター] - 清水建設が子会社化を目指して進めている日本道路への株式公開買い付け(TOB)について、少数株主が不利益を被るなどと米国籍のファンドが親子上場に懸念を示し、延期を要請していることが分かった。日本道路の取締役会に宛てた書簡をロイターが閲覧した。

親子上場は、親会社が自社の利益を優先して子会社の少数株主が不利益を被る可能性があり、海外投資家を中心に批判が強い。コーポレートガバナンス(企業統治)強化の流れが強まる中で解消が進みつつある。

書簡を送ったのはボストンに拠点を置くカナメ・キャピタル。日本企業に投資し、買いポジションのみで2億5000万ドルを運用する。日本道路株1.8%を保有している。

ロイターが閲覧した書簡によると、カナメはTOBが部分買い付けであることを問題視。「全株買い付けでなければ、全株主の公平・平等な扱いはできない」などと主張し、買い付け条件の修正が反映されるよう、日本道路がTOBの延期を清水建設に要請することを求めている。

清水建設はロイターの取材にコメントを控えた。日本道路のコメントは得られていない。

カナメは部分買い付けの具体的な欠点として、1)少数株主は低い価格で保有株を応募せざるをえない、2)上場子会社後も株式を保有し続けると株式の評価と流動性が低下する──ことを挙げている。

買い付け価格についても、清水建設が提示した1万円は低すぎると指摘。日本道路の保有資産を考慮すると企業価値は1株当たり「1万2500円に近い」との試算を示している。

清水建設は2月10日からTOBを開始。日本道路の出資比率を24.84%から50.1%へ引き上げ、連結子会社化することを目指している。買い付け期間は3月22日まで。日本道路は上場を維持する。

野村資本市場研究所によると、日本市場全体で親子上場する企業数は2021年3月末で248社。2007年3月末の417社から大幅に減った。4月に導入される東京証券取引所の市場改革では、最上位市場であるプライム市場の流通株式に関する基準が厳しくなり、親子上場の解消は今後も進むと見られている。

(山崎牧子 編集:基太村真司、久保信博)

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