• 2022/03/23 掲載

FRB高官、相次ぎ大幅利上げ要求 景気・労働市場巡る懸念残る

ロイター

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[22日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)高官は、インフレ率の急上昇を抑えるため、一段と大幅な利上げを求めている。ただ、引き締めサイクルが景気と労働市場を弱めるのではないかという懸念を払拭するには至っていない。

セントルイス地区連銀のブラード総裁は22日、「インフレ抑制に向け積極的に行動する必要がある」と述べ、政策金利を今年3%に引き上げるべきという考えを強調。ブルームバーグテレビに対し「より早い方が良い」と語った。

先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)ではフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、0.25─0.50%とした。ブラード氏は0.5%の利上げを主張し、小幅な利上げに反対票を投じた。

FRBのパウエル議長は21日、インフレ抑制にFRBは「迅速に」行動する必要があるとし、必要に応じて通常より大きな幅で利上げを実施する可能性があると述べた。また、5月3─4日の政策会合で0.5%ポイントの利上げを妨げるものは何かと問われ、「何もない」と答えた。

クリーブランド地区連銀のメスター総裁は22日、今年開催される残りの6回のFOMCのうち「一部」で大幅な利上げが必要になるだろうと述べた。

サプライチェーン(供給網)の混乱が物価に与え続けている影響を指摘し、ロシアのウクライナ戦争が既に高すぎるインフレ率を押し上げるというパウエル議長の懸念に同調。「必要な(金利)引き上げの一部を早い時期に前倒しするのは魅力的だ。経済が予想と異なる展開になった場合に、より政策を調整しやすくなるためだ」と述べた。

年内に2.5%程度まで金利を引き上げるのが適切との見解を示した。また、来年もさらに利上げすべきとした。

メスター氏はさらに、FRBが経済活動や雇用を減らすことなく、過剰な労働需要を減らすことができると「非常に楽観的」であると述べた。

サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁はFRBの中でもハト派的な政策立案者だが、22日のオンラインイベントでは0.5ポイント利上げの可能性について質問されなかった。

しかし、インフレを抑制しインフレ期待をより強固に固定するために政策金利を中立水準以上に引き上げるべきと強調した。

いずれの高官も、借入コストの上昇は、雇用の伸びを阻害することなく過熱する労働需要も冷やすことができるとの考えを示した。

この発言を受けて、先物市場では5月と6月に0.5ポイントの利上げがあるとの見方が強まった。トレーダーらは年末までにFF金利が2.25─2.5%の範囲に上昇するとみている。これはブラード氏の見解には及ばないが、先週にFRBが予想で示唆した1.9%よりは高い水準だ。

パウエル議長は、経済が労働市場にダメージを与えることなく借入コストの上昇に耐えられるほど堅調であり、労働市場の堅調さを継続させるためにFRBができる最善のことはインフレを抑制することだと主張している。

しかし、先物市場によると、トレーダーは現在、FRBが2024年までに利下げを開始するという見方も強めている。

パイパー・サンドラーのエコノミスト、ロベルト・パーリ氏は「債券市場はパウエル氏の経済楽観論をまともに信じていない。FRBがパウエル氏の道を歩むなら、ソフトランディング(軟着陸)が困難であるばかりか、不可能になるとわれわれに告げている」と指摘した。

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