- 2022/03/29 掲載
米予算教書、ウクライナ危機で国防費増額 富裕層増税で赤字圧縮へ
バイデン大統領は声明で予算教書について「財政責任や国内・世界における安全保障、公正な成長の継続とより良い米国の構築に必要な投資を重視してるという明確なメッセージとなる」と述べた。
国防関連予算は8000億ドル超を要求。うち国防総省向けは7730億ドル。バイデン大統領は、米軍を強化し、「ウクライナへの経済、人道、安全保障上のニーズに対応する10億ドルの追加支援によって、ロシアのプーチン大統領に強力に対応する」と言明した。
財政赤字は今年度1兆3000億ドル超減らし、昨年度から半減させる見通しとし、「富裕層や企業が公平なシェアを支払うことを確実にし、経済成長を支援することによって財政赤字をさらに圧縮する」と言明した。
富裕層向け増税については、1億ドル超の資産を持つ世帯(上位0.01%の世帯)を対象に株式の含み益など未実現利益を含む全ての所得に対し最低20%の課税を提案。ホワイトハウスの試算では、富裕層への増税で、今後10年で財政赤字を3600億ドル削減できる見通し。さらに、法人税率を28%に引き上げることを目指す。
ただ、予算教書は昨年11月10日時点の見通しが前提となっており、ウクライナ侵攻を受けたインフレ圧力の増大などは加味されていない。
米大統領経済諮問委員会(CEA)のセシリア・ラウズ委員長は2、ロシアによるウクライナ侵攻を受けエネルギー・食品価格の上昇が見込まれるとしながらも、インフレ率は向こう1年で緩和するとの見方を示した。
そのほか、予算教書には犯罪防止や銃犯罪への取り組みに向けた予算や低所得者向け住宅提供に向け資金拡大など盛り込まれた。さらにホワイトハウスによると、各州への選挙や郵便投票向け支援として今後10年で150億ドル、米郵政公社(USPS)の配達能力拡充や郵便投票の郵送料無料化など向けに50億ドルを要求した。
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