- 2022/04/02 掲載
米3月雇用43.1万人増、底堅さ目立つ 失業率3.6%と2年ぶり低水準
[ワシントン 1日 ロイター] - 米労働省が1日発表した3月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月より43万1000人増加し、堅調な伸びを示した。また失業率は3.6%と2020年2月以来、約2年ぶりの水準に改善した。2月の失業率は3.8%だった。
3月は専門職・企業サービス、金融、小売の各部門の雇用者が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前を上回る水準に回復。高インフレや金融政策引き締め、ロシアのウクライナ侵攻といった向かい風に直面しつつも、米経済が堅調な勢いを維持している様子がうかがえる。
全体の就業者数もパンデミック前から約160万人減の水準まで回復した。
賃金上昇も再び加速しており、米連邦準備理事会(FRB)が5月に政策金利を0.5%ポイントと大幅に利上げする下地となった。FHNフィナンシャルのチーフエコノミスト、クリス・ロー氏は「FRBは失業率の動向に注目している」と述べた。
2月の雇用者数の増加幅は、当初発表の67万8000人から75万人へ上方改定された。3月の市場予想は49万人増。ただ、20万人増から70万人増まで幅があった。
業種別では、レジャー・接客が11万2000人増と、全体の雇用者の伸びを主導した。専門職・企業サービスは10万2000人増、小売りは4万9000人増、金融関連は1万6000人増で、就業者数はいずれもパンデミック前の水準を超えた。
製造も3万8000人増加したものの、パンデミック前の水準には戻していない。建設は1万9000人増加し、コロナ禍前の水準に回復した。
家計調査に基づくと、3月には新たに41万8000人が労働人口に加わった。
労働参加率は62.4%と、2月の62.3%から上昇した。
3月29日発表の政府統計によると、2月末時点の求人数は1130万人と過去最高に近かった。求人数と求職者数との需給ギャップは労働人口の3.0%で、第2次世界大戦後最高だった昨年12月の3.2%に近い。
労働者が引き続き不足している中で、今年3月の時間当たり平均賃金は前月比0.4%上がった。2月は0.1%上昇していた。3月は前年同月比で5.6%上昇。2月は5.2%伸びていた。
3月の雇用統計と今月12日発表予定の消費者物価指数(CPI)統計は、5月3─4日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)会合での金利決定に極めて重要な意味を持つ。
FRBは3月、政策金利を0.25%ポイント引き上げ、3年超ぶりの利上げを開始。政策当局者はタカ派的な発言を強めており、パウエルFRB議長は高インフレの定着を防ぐために利上げを「迅速に」、場合によっては「より積極的に」行う必要があると述べている。
新型コロナウイルスの新規感染者数が激減し、全米で規制解除が進んできたことが雇用需要を後押ししている。ロシアとウクライナの戦争が響いてガソリン価格は1ガロン当たり4ドル超となったが、戦争が労働市場に影響を与えた兆候はまだ出ていない。
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