- 2022/06/03 掲載
米FRB、あと2回の利上げ後は様子見の必要=クリーブランド連銀総裁
メスター総裁はフィラデルフィアの経済団体向けの講演で、利上げプロセスは家計は企業にとり「痛み」を伴う可能性があるが、現在約40年ぶりの高水準にあるインフレで購買力が目減りし、経済の勢いが弱まる方が望ましくないとの見方を表明。
「金融情勢が一段と引き締まる中、金融市場は極めて不安定な状態が続く可能性がある。経済成長率は数四半期にわたり予想よりも鈍化し、失業率は一時的に長期推計値を上回る可能性がある」とし、「これには痛みを伴うが、高インフレもまた痛みを伴う」と述べた。
また、インフレはまだピークに達していないと考えているとし、インフレ期待の上昇を示す最近の調査結果を深刻に懸念していると表明。ただ、現時点ではインフレを引き下げるためにFRBが労働市場を犠牲にしなくてはならない状況にはなっていないとの見方を示した。
その上で「景気後退(リセッション)のリスクは高まったが、基調的な総需要の労働需要は極めて強いため、需給バランスが改善すれば、景気の急激な減速は避けられる」と述べた。
このほか、インフレが沈静化し、利上げペースを緩和する時期が来たとFRBが確信するまで、しばらく時間がかかる可能性があるとし、「(インフレに対する)早期の勝利宣言は控えたい」と語った。
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