- 2022/06/10 掲載
ECB総裁「債券市場の分断回避へ必要なら措置」 進展なしと関係筋
ECBはこの日、2014年に導入した量的緩和措置である資産購入プログラム(APP)を7月1日に終了すると発表した。
この数週間、市場ではECBの利上げの織り込みが進み、ドイツとイタリアなど南欧諸国との金利差が拡大していた。
ラガルド総裁は理事会後の会見で「過去にも言ったが、必要となれば、既存の調整済みの手段も利用可能になる新たな手段も活用する」と述べた。
「ただ、われわれは金融政策の適切な波及にコミットしており、結果として波及を損なうような分断は回避されるだろう」とした。
しかし、これは新たなスキームによる継続的な支援を期待していた投資家を失望させた。
関係筋によると、政策当局者は現在の状況が「分断」に相当するとは考えていなかった。この議題は理事会で簡単に議論されるにとどまり、新たなプログラムの発表については議論されなかったという。
ある関係筋は、この件に関しては、4月にセミナーが開催されて以来進展はなく、作業が再開されるのは早くても9月になるとの見通しを示した。
9日のユーロ圏金融・債券市場では、南欧諸国の利回りが大幅上昇した。イタリア10年債利回りは一時24ベーシスポイント(bp)上昇し、3.715%と2018年以来の高水準を記録した。
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