- 2022/06/10 掲載
中国5月PPI上昇率、1年2カ月ぶり低水準 CPI伸び横ばい
[北京 10日 ロイター] - 中国国家統計局が10日発表した5月の生産者物価指数(PPI)は前年比6.4%上昇と2021年3月以来の低い伸びとなった。新型コロナウイルス対策の厳しい規制により、鉄鋼やアルミニウムなど主要な工業用原材料の需要が低迷したことが背景。
伸び率は前月の8.0%から鈍化し、市場予想と一致した。
消費者物価指数(CPI)は前年比2.1%上昇。伸び率は4月と同じだった。市場予想は2.2%上昇。
厳しいコロナ規制でサプライチェーン(供給網)が混乱し、生産や消費に影響が出ており、中国経済はここ数カ月で大幅に鈍化している。
5月はロックダウン(都市封鎖)による工場や小売店の閉鎖で自動車や電化製品など鉄鋼・非鉄金属を素材として使う工業製品の販売が落ち込んだ。
中国乗用車協会(CPCA)によると、5月の自動車販売は前月から増加したが、前年同月比では16%の大幅減。
中国の都市部失業率は4月に6.1%と20年2月以来の高水準を付け、政府が上限に設定している5.5%を大きく上回った。
当局は景気減速に歯止めをかけるため、最優遇貸出金利の引き下げや融資の返済猶予など相次ぎ措置を講じている。
キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミスト、Sheana Yue氏は「生産者物価の伸び率は年内低下基調を続ける」と指摘。中国人民銀行の来週の中期流動性オペに言及し「近いうち追加利下げがある。最初は15日になるかもしれない」と述べた。
また、ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、Zhiwei Zhang氏は「CPI伸び率は安定的に推移している。コモディティー価格の上昇は、旅行や娯楽などサービスの価格低迷に相殺された」と説明し、「内需は弱く、PPIからCPIへの波及も低調だ」と述べた。
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