- 2022/06/12 掲載
米FRB、大幅追加利上げへ=インフレ抑制で引き締め急ぐ―14、15日に金融政策会合
【ワシントン時事】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は14、15両日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、金融政策を決める。5月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比8.6%上昇と40年5カ月ぶりの高い伸びとなる中、追加の大幅利上げに踏み切ることが確実視されている。
米経済は大規模な財政出動と金融緩和が奏功し、新型コロナウイルス危機から力強い回復を遂げた。しかし、旺盛な需要に供給が追い付かず、幅広い分野で価格が上昇。ロシアのウクライナ侵攻でエネルギーや食料の国際相場も高騰し、インフレを押し上げた。
物価圧力を緩和するため、FRBは5月、22年ぶりに上げ幅が通常の倍となる0.5%利上げに踏み切った。また、6月からコロナ危機対応の量的緩和策で膨張した保有資産の縮小に着手し、長期金利の上昇を促すなど金融引き締めを急いでいる。
パウエル議長は「インフレが明白に低下するまで利上げを続ける」と表明。景気を刺激も抑制もしない「中立的」な水準へ金利を引き上げることに「全くためらいはない」と強調、一層の引き締めも辞さない構えだ。
パウエル氏は既に、6、7月に連続で0.5%の大幅利上げを行う方針を示している。ただ、インフレが収まる気配はなく、市場では0.75%利上げ断行の可能性も取り沙汰されている。
もっとも、FRBの積極利上げにより、米経済が景気後退に陥るとの懸念も根強い。米金融大手JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者(CEO)は「ハリケーンが迫っている」と、警鐘を鳴らした。
パウエル氏も「物価安定回復には若干痛みが伴う」と、ある程度の景気鈍化を覚悟する。インフレ封じ込めと成長維持の両立で、5月に2期目入りしたパウエル氏の手腕が問われている。
【時事通信社】 〔写真説明〕米連邦準備制度理事会(FRB)本部=3月20日、ワシントン(AFP時事)
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