- 2022/06/17 掲載
日銀、大規模緩和を維持=黒田総裁「急速な円安はマイナス」―長期金利の上限、変更せず
日銀は17日、前日に続き金融政策決定会合を開き、長短金利操作を柱とする現在の大規模な金融緩和策の維持を決めた。黒田東彦総裁は会合後の記者会見で「賃金の上昇を伴う形で(2%の)物価目標を安定的・持続的に実現できるよう金融緩和を実施していく」と強調した。急速な円安は経済にマイナスと述べる一方、長期金利の上昇を認める上限の変更は否定した。
黒田総裁は日本経済について「新型コロナウイルス感染症からの回復途上にある上、資源価格上昇という下押し圧力も受けている」と分析。「こうした中で賃金の本格的な上昇を実現するには、金融緩和を粘り強く続けることで経済をしっかりとサポートしていくことが必要だ」と説明した。
決定会合に先立つ15日の外国為替市場では円が急落し、一時1ドル=135円台半ばと、約24年ぶりの水準まで円安が進んだ。黒田総裁は「最近の急速な円安は経済にマイナスで望ましくない」と指摘。資源や原材料の価格高騰に加え、円安が物価上昇に拍車を掛ける側面も強まりつつあり、「金融・為替市場の動向や、その経済・物価への影響を十分注視する必要がある」との姿勢を示した。
【時事通信社】 〔写真説明〕金融政策決定会合後に記者会見する黒田東彦総裁=17日午後、東京都中央区の日銀本店(代表撮影)
最新ニュースのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR