- 2022/07/06 掲載
NY外為市場=ユーロ20年ぶり安値、景気懸念でドル買い優勢
主要6通貨に対するドル指数は一時1.6%高。ユーロ/ドルは最大1.75%下落し、02年終盤以来の安値を付けた。1日としては、ユーロの下げとドルの伸びはともに、コロナ禍の始まった20年3月以来の大きさとなった。
景気後退懸念が強まる中、他の通貨も軒並み下落。円は対ドルで24年ぶりの安値に迫り、終盤の取引では135.705円。カナダドルも約19カ月ぶり安値を付けた。
ノルウェー・クローネも2%を超える下げを記録。ノルウェーの海上石油労働者が賃上げを求めてストライキに踏み切ったことで、欧州の景気後退懸念に拍車がかかった。
MUFGのグローバルマーケットリサーチ主任、デレック・ハルペニー氏は「エネルギー情勢が悪化し、経済成長リスクが著しく高まる中、ユーロが本格的に上昇することは引き続き非常に困難だろう」と述べた。
CIBCキャピタル・マーケッツの北米FX戦略責任者、バイパン・ライ氏も、欧州にエネルギー危機が差し迫る中、リスクオフムードが広がっていると指摘。「ユーロ圏の景気後退の脅威は、以前よりも明確なリスクとなっている」と述べた。
またトレーダーによると、前営業日4日は米市場が祝日で休場だったため、ロンドン取引時間序盤に入ったドルの大型注文が連鎖反応を引き起こし、ユーロの下げを加速させたという。
ユーロは対スイスフランでも下落し、スイス国立銀行(中央銀行)がスイスフランの対ユーロ上限を撤廃した15年以降の安値に達した。
ノムラ・セキュリティーズは現在のユーロ下落について、ロシアがドイツ向けのガス供給を停止した場合に何が起こるか分からないという不確実性を巡る警告と指摘。ユーロがドルとのパリティ(等価)を割り込み、8月に0.98ドルまで下落する可能性があるという見方を示した。
豪ドルは一時0.6895米ドルまで上昇したものの、終盤までに1.4%安の0.677米ドル。オーストラリア準備銀行(中央銀行)がオフィシャルキャッシュレートを50ベーシスポイント(bp)引き上げ、金融引き締めを継続する姿勢を示したものの、上げを維持することはできなかった。
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