- 2022/07/06 掲載
予備回線、確保の動き=通信障害、代替手段が課題
KDDIの大規模通信障害では、生活に欠かせない携帯電話サービスが使用できない状況でどう対応すべきか、大きな問題を突き付けた。利用者の中には、予備回線を契約するなどの動きも出始めている。
今回の障害では、主にスマートフォンでの通話などが利用しづらい状況となった。KDDIは固定電話や公衆電話を使うよう呼び掛けたが、携帯電話しか持たない人が増えており、公衆電話は年々減少している。
その一方、商業施設などが提供する公衆無線LANを使う手段がある。インターネット経由で、無料通話アプリ「LINE」などで通話することも可能だ。
また、一つの会社の回線に依存せず、別会社の回線を持つことも選択肢だ。格安スマホサービスを提供するインターネットイニシアティブ(IIJ)によると、オンラインで通信回線を契約・利用できる「eSIM(イーシム)」プランには、障害のあった2日に1000件程度の申し込みがあり、6月の1日平均と比べ約8倍となった。
民間調査会社のMM総研(東京)の横田英明常務は「二つの回線を持つことは通信障害時のリスク回避になる」と指摘する。ただ、追加分の費用がかかり、消費者にとっては重荷となる。
携帯事業者間の連携による緊急時の通信手段確保も課題だ。東日本大震災を受け、総務省では2011年に緊急通報に限定した形で、同業他社でネットワークを融通する「ローミング」を議論したが実現していない。同省は「今回のようなコアのネットワークが機能しなくなった場合にはローミング経由でもつながらず、有効な手段とはならない」としつつも、省内で検討を続けていると説明する。
【時事通信社】 〔写真説明〕auショップ=5日午後、東京都千代田区
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