- 2022/07/06 掲載
物価「上がった」89.0%、08年9月以来の高水準 暮らし向きに影響=日銀アンケート
[東京 6日 ロイター] - 日銀が6日発表した「生活意識に関するアンケート調査」(2022年6月調査)によると、現在の物価に対する実感が1年前と比べて「上がった」と回答した人は89.0%となり、前回3月調査の81.2%から増加した。2008年9月調査(94.6%)以来の高水準。暮らし向きに「ゆとりがなくなってきた」との回答も増えており、物価の上昇が生活者のマインドに影響を与えている姿もみえてきた。
現在の暮らし向きが1年前と比べて「ゆとりがなくなってきた」との回答は43.2%となり、前回の41.7%から拡大。このうち78.9%が「物価が上がったから」と答えた。
1年前と比べて物価が「上がった」と答えた人に感想を聞いたところ、82.9%が「どちらかと言えば困ったことだ」と回答した。
支出が1年前と比べて「増えた」との回答は43.0%で、前回の36.0%から増加した。判断理由は「生活関連の物やサービスの値段が上がったから」が最も多かった。
<1年後の物価予想「上がる」は87.1%>
1年後の物価が「上がる」と予想する回答者は87.1%となり、前回3月調査の84.3%から増加した。08年6月調査(88.9%)以来の高水準。数値予想は平均が8.3%上昇、中央値は5.0%上昇だった。
5年後に「上がる」は3月調査の82.1%から79.8%へ減少した。毎年の変化率予想は平均値が6.7%上昇、中央値が5.0%上昇だった。
調査期間は5月6日から6月1日。日用品や食料品、エネルギーなど身近で購入頻度の高い商品の値上がりを反映した回答になったとみられる。
日銀は2%の物価安定目標の実現には家計や企業のインフレ期待の高まりが重要と位置付けており、同アンケートは家計のインフレ期待の動向を把握する指標の1つとなっている。
(杉山健太郎 編集:石田仁志)
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