• 2022/07/30 掲載

市場と対話、うまくいかず=「物価のめど」導入で―西村日銀元副総裁

時事通信社

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日銀が2012年上半期の金融政策決定会合の議事録を公表した。2月に「中長期的な物価安定の理解」から「中長期的な物価安定のめど」に変更し、消費者物価の前年比上昇率で当面1%を目指し、強力に金融緩和を推進する姿勢を鮮明にした。当時副総裁だった政策研究大学院大学の西村清彦特別教授はインタビューに応じ、「めど」について、金融市場との対話を通じて日銀の狙いが十分伝わらなかったとの認識を示した。

―「めど」導入時の議論は。

全員が共通の認識を持ったわけではない。私は「理解」と「めど」は違うものだとして、「めど」は2%だと発言した。他の中央銀行が2%と言っている時に日銀も2%と言わないと為替に影響を及ぼすのでそう説明した。ただ、従来の延長の形で考えている人が多かった。

―「めど」は1%とされた。

国民はインフレがない方がいい。ただ、そのこととインフレ目標とは違う。極端に言えば、国民の理解と異なっても金融政策としてやらなければいけないことがあるということだ。一部には、達成できないものをゴールにすることにどれだけの意味があるのかという意見があったが、市場の期待に働き掛けることから考えれば、2%はあってしかるべきだった。「理解」と「めど」を区別できなかったのは残念だ。

―日銀の能動的な姿勢は伝わったか。

「めど」を1%としたからには追加緩和があるだろうと考えたし、市場も考えていた。ただ、(公表後も)あたかも何も変わらなかったような印象を与えた。累積的に非常に大きなことをやってきていたが、コミュニケーションがうまくいかなかった。

―緩和期待が常に生じるようになった。

「めど」は、達成について不安がある時に追加緩和をすることが前提なので、期待が出るのは当然。ただ、何かをやっても打ち止め感が出ない状況になってしまった。

【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答える政策研究大学院大学の西村清彦特別教授=25日、東京都港区

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