- スペシャル
- 2015/12/10 掲載
システム開発は要件定義前の“構想”で決まる! 経営者が知っておくべき3つのポイント(2/2)
システム構想を「経営の単独プロジェクト」に切り離せ
システム開発は「要件定義」「設計」「開発」「テスト」の4つのプロセスからなりますが、たいていの場合、「構想」は要件定義の前に置く1つのプロセスとなっています。つまり、構想づくりがシステム開発と一体のプロジェクトなので、プロジェクトはシステム開発が主となり、経営層や業務部門の参画が得られにくく、予算や期間は主要工程が優先され、情報システム部中心の体制になってしまうわけです。
そこで、システム構想を単独のプロジェクトとして独立させます。そうすると、システム構想とシステム開発の違いを明確にでき、さまざまな点でやりやすくなります。
たとえば、プロジェクト責任者。システム開発の1工程だと情報システム担当役員(CIO)でしたが、別プロジェクトになればシステム構想プロジェクトは社長(CEO)、システム開発プロジェクトはCIOに分けられます。そのほか、必要な予算や期間を個別に確保できたり、「これはビジネスデザインづくりなのだ」と社内に周知できたり、システム開発と異なる体制を取れます。
システム構想は経営の最重要プロジェクトである
家を建てるとき、設計事務所がデザインと設計を担当し、建設会社が施工します。家の外観や住み心地は、施工の良し悪しも大切ですが、デザイン・設計でほぼ決まります。施工の役割は設計にもとづき、実際に家をつくることです。それと同じような関係が、「システム構想(あり方)」と「システム開発」にはあります。良いシステムになるかは、システム開発ではなくシステム構想で決まるのです。
部門単体システムが全盛の頃は、情報システム部がシステムのあり方を考えるのが当たり前でした。だから、いまも情シスやシステムベンダーが主導することに何ら違和感をいだかない経営者もいます。しかし、そんな時代はとうの昔に過ぎ去りました。今は全社システム・ERPが常識です。ビジネスとITが融合し、システムのあり方が経営に直結しています。システムのあり方1つで企業の行く末が決まるのです。
これからの5年、10年を決める次期システム。ぜひ、システム構想を経営者直轄のプロジェクトにして、システム開発を成功させてください。
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