開閉ボタン
ユーザーメニュー
ユーザーメニューコンテンツ
ログイン

  • 会員限定
  • 2019/07/08

稟議とは何か? 稟議書の書き方から実例、稟議を通すポイントまで基礎知識を解説

会社や官公庁で新しい物品を購入したり、顧客と会食をしたりするときに、「稟議書」の提出を求められることがある。特に、部署を超えて複数の幹部社員の承認が必要な場合に稟議書を提出することが多い。では、組織の上層部にスムーズに承認されるには、どのような稟議書を作成すれば良いのだろうか。稟議書の書き方の基本から実例、稟議を通すポイントまで、稟議に関する基礎知識を解説する。

photo
企業の意思決定は「稟議」を通して行われることが多い
(Photo/Getty Images)

そもそも「稟議」とは何か

 稟議の「稟」とは、「申し上げる」という意味だ。では、具体的にどのように申し上げるのが良いのか。まず、最低限知っておきたい稟議のポイントを説明する。

●稟議の基礎知識

 稟議とは簡単に言うと、「会社のお金を使う」「クライアントと契約を結ぶ」など、自分の権限だけでは決定できないことについて、その内容を説明する文書を会社の上層部に回覧させて、承認を得る手続きのことだ。その文書が稟議書である。「起案書」や「立案書」と呼ばれることもある。

 会社や官公庁など多くの組織では、意思決定の権限を有しているのは部署の上長ら管理職だ。たとえば、物品を購入する際、少額の消耗品なら上長の承認なしに発注できることもあるが、高額商品の場合は、部署の上長だけでなく、役員クラスの承認を得なければならない組織も多いだろう。

 また、自分のグループで一時的に派遣社員を採用するときも、部署の上長だけでなく、人事部などに承認を得るのが一般的だ。しかし、それらの意思決定を毎回、上層部が集まって合議するわけにはいかない。そういう場合に、稟議書を上層部に回覧させて承認を得るという手続きが取られる。

 稟議書のフォーマットは通常、組織ごとに決まっており、起案者が起案して上層部へ上げ、回覧の上、内容に問題がなければ上層部から承認印が押される。問題があれば稟議書にコメントが添えられる。最終承認を行う権限を有する人が承認すると、組織が稟議を正式に認めたことになり、購入や契約など稟議内容を実行に移すことができる。

●「稟議」と「決裁」の違い

 稟議とは基本的に、複数の関係者に稟議内容を周知させ、承認を得る手続きである。一方、決裁とは、決裁の権限を持つ上長が、提案された内容の可否を決定することだ。

 ただし、稟議における承認も一定の責任を有する人による決裁であり、稟議は決裁手続きの一つだと言える。一般的に多くの組織では業務が部門ごとに行われているが、たとえば派遣社員を採用する場合、最終決裁は部署の上長が行うとしても、契約書の内容に不備がないかは法務部がチェックし、人事部も採用面接に加わるだろう。したがって、規模の大きな組織では稟議と決裁が同時に行われることが多い。

稟議のメリット・デメリット

 日本の会社や官公庁で仕事をするなら、稟議を避けて通ることは難しい。あらかじめ稟議のメリットとデメリットを理解し、稟議書の提出を求められたら、適切な対応を取る必要がある。

●稟議のメリット

1.時間の無駄と手間が省ける
 上記でも説明したが、複数の部署の上長の承認が必要なときでも、稟議書を回覧させれば、上長らを集めた会議を開くことなく意思決定され、承認が得られる。部署が複数にまたがる場合、出席する上長らに時間を調整してもらいながら会議を設定するのは、時間と手間がかかる。上長にとっても、会議に出席する手間が省けることはメリットだろう。

2.決定事項をスピーディーに実行できる
 一旦、稟議が通ったら、後は会社の決定事項として業務をスピーディーに進めることができる。また、稟議で承認を得ている範囲内であれば自己裁量で仕事を行える。仮に、上層部の一人が自分も承認したことを忘れ、「なぜこんな高額商品を購入したのか?」などと指摘してきた場合も、稟議書にその商品の購入についての承認記録が残っていれば、説明しやすいだろう。

3.稟議の中身を検討しやすい
 稟議書には、提案目的・理由・金額・得られる効果・代替案より優れている点などがひと目でわかるように記載されている。そのため、承認者が稟議内容を判断しやすい。

●稟議のデメリット

1.起案に手間と時間がかかる
 「承認権限を持つ人全員が出席する会議を開いて、その場で口頭で説明できればすぐ終わるのに、稟議書を作成するのは面倒」と考える人もいるだろう。通常、承認者は所属部署の上司から役員まで複数の階層に分かれており、階層を1つずつクリアして最終承認を得るまでには相当な時間がかかるケースもある。さらに、稟議内容が専門的な場合、承認者それぞれに対して知識や背景を説明する必要が出てくる可能性もある。そうなると、手間や時間が大きくかかってしまう。

2.責任の所在が分散する
 1つの稟議について、複数の承認者が承認作業を行う。そのため、問題が発生したときに承認者個々の責任感が薄れ、責任の所在が曖昧になる恐れがある。

稟議書の書き方の基本

 業務をスムーズに運用するため、稟議書のフォーマットは組織ごとに決まっていることが多い。ここでは一般的な稟議書のフォーマットと書き方について解説する。

●稟議書に記入するべき主な項目とは?

1.件名
 何についての稟議かがすぐにわかるよう簡潔に記載する。

2.稟議の内容(申請事項)
 結論を先にして、箇条書きに記載するとわかりやすい。箇条書きにする主な内容は次の通りである。

・承認してもらいたい内容(物品購入であれば物品名、購入先の会社名、仕様、購入時期など)
・申請理由(目的、意義など)
・稟議内容が実行された場合のメリット、効果
・稟議が承認されない場合に生じるリスクやデメリット

 記載時のポイントは、具体的なデータを稟議書に盛り込み、稟議内容の必要性や費用対効果、他の商品やサービスよりも優れている点などを明確化させることだ。一方、リスク・デメリットについては解決策を付記することで、承認者の理解を得るように努める。

3.予算
 予算額と合わせ、当期の費用として計上済みであれば予算化されていること、予算残高、支払い条件などを記載する。金額については見積書を入手して添付することで、できる限り正確に記入する。

4.添付資料
 見積書、カタログ、工事明細書、写真、図面、イラストなどを必要に応じて添付する。

【次ページ】そのまま使える!稟議書のひな型3例

見える化・意思決定 ジャンルのセミナー

見える化・意思決定 ジャンルのトピックス

見える化・意思決定 ジャンルのIT導入支援情報

PR

ビジネス+IT 会員登録で、会員限定コンテンツやメルマガを購読可能、スペシャルセミナーにもご招待!