記事 政策・金利 日東駒専と大東亜帝国、大手就職に差はあるか? 日本衰退を招いた「学歴問題の元凶」 2024/01/15 企業規模によって賃金に格差が生じる。だが大学卒業者のうち大企業に就職できるのは、4割強に過ぎない。これを偏差値で考えてみた時、大企業に就職しやすい大学群の境界線は日東駒専や大東亜帝国クラスとなる。こうした学歴問題を見ると、日本衰退を招いた基本的な問題が浮かび上がる。
記事 規制・法令順守 システム障害が多発、「金融庁が求める」金融機関がとるべき対策とは? 2023/12/19 金融庁は定期的に金融機関におけるシステム障害の事例調査を実施、2023年6月にレポートとして公表した。これをうけて、金融機関の内部監査部門の機能高度化に向けた取組みを強化しているが、どのように対応すべきなのか。単に障害発生原因を解明するのみならず、金融庁の期待に応えるため金融機関の内部監査部門が果たすべきチェックを有意に機能させる観点から、ひも解く。
記事 規制・法令順守 「障害を念頭に」、金融庁が公開した「内部システム監査」に必要な視点とは? 2023/12/15 昨今、金融機関にまつわるシステム障害が相次いで発生しており、利用者の利便性に影響を与える例も少なくない。こうしたシステム障害の原因はおおよそ少数特定のものに帰結する傾向にある。過去の障害原因などを通じて得られる示唆も多いため、主要な障害発生原因などをひも解きながら、その対応策を整理した。
記事 政策・金利 金融引き締めが後手に回る?高まる「ビハインド・ザ・カーブ」への懸念は杞憂なワケ 2023/12/13 本連載の前回記事「日銀の利上げ時期がいよいよ確定か、賃金は大幅上昇?円高?そのあと何が起きるのか」のあと、日銀のマイナス金利解除を巡る報道が本格化し、大幅な円高も進行した。いま話題になっているのは、日銀の金融引き締めが後手に回ってしまい、インフレ率が想定以上に加速することで急速な利上げを迫られる、いわゆるビハインド・ザ・カーブに陥るとの懸念の声だ。本当にそういう事態が起きうるのか、現在の金融情勢と今後の動きについて、第一生命経済研究所の藤代宏一氏が解説する。
記事 海外動向 Web3は「もうオワコン」か? バイナンス巨額罰金後の「価値」とは 2023/12/13 ついに暗号資産交換業最大手のバイナンスが白旗を上げた。11月21日、チャンポン・ジャオCEOは、米国のマネーロンダリング法違反について罪を認めて辞任を発表した。同社は制裁金として、総額43億ドルを支払い、ジャオCEO自身も5000万ドルを支払う。FTXの破綻に続き、いよいよWeb3は終わりを迎えてしまうのか。その中でも残り続けるものがあるという。
記事 海外動向 「2023年最も影響力のあるフィンテックイベント」では何が語られているのか? 2023/12/06 2023年11月15~17日、国際展示場の全ホールを使って開催されたシンガポールフィンテックフェスティバル(Singapore FinTech Festival:SFF)は、昨年(2022年)を上回る150ヶ国から6万6000人が参加、970人の登壇者によって活発な議論が展開された。今年は、日本からの参加者も増えており、2024年3月に予定されている「Japan FinTech Week」開催に向けて、海外参加者にアピールする機会にもなった。
記事 海外動向 年収4,000万円超が急増、インドのフィンテック市場が「爆増」の背景 2023/12/05 国連推計でもすでに中国の人口を抜き、世界最大となったインド。若い生産年齢人口、旺盛な消費意欲、中間層・富裕層の拡大を背景に“爆増”しているのが同国のフィンテック市場だ。所得の上がらない日本をしり目に、年収4,000万円を超える富裕世帯も急増している。2030年には1.3兆ドル規模(およそ190兆円)に達する可能性があるというインドのフィンテック市場を詳しく読み解いていこう。
記事 政策・金利 【金融庁解説】「金融サービス仲介業」が“法的に”使いやすいこれだけの理由 2023/11/29 前回までは、エンベデッドファイナンスの文脈における金融サービス仲介業の活用可能性や課題、金融サービス仲介業を巡る潮流(銀行、保険分野)について議論してきました。この回では、法的な観点から、金融サービス仲介業の活用の可能性や課題について、考察してみたいと思います。
記事 政策・金利 日銀の利上げ時期がいよいよ確定か、賃金は大幅上昇?円高?そのあと何が起きるのか 2023/11/21 いよいよ日銀のマイナス金利が解除されそうだ。第一生命経済研究所 藤代宏一氏は「2024年前半までにマイナス金利は解除される」と予想しているという。日銀のマイナス金利がなぜそのタイミングで解除されるのか。実際に利上げになれば、賃金上昇率やドル円などの為替にはどのような影響があるのか。2024年前半までのシナリオについて藤代氏が整理した。
記事 海外動向 米大統領選はトランプの悪夢の再来か?カギ握る共和党内派閥・有権者層を徹底解説 2023/11/16 2024年11月に始まる大統領選まで約1年。結局、トランプ対バイデンの再対決になるかもしれないが、そこに至る米国政治の力学は今大きく変わろうとしている。実際、10月に米国史上初の下院議長の解任と新下院議長の就任があり、共和党内は混乱の様相。共和党内や有権者層に明らかな変化が生じている。本稿では、そうした共和党内の保守思想の潮流や全米有権者3割を占める共和党支持層の変化、従来の共和党の枠を超えたトランプの野望を読み解く。
記事 政策・金利 新NISAでも対象に、これから「投信の購入対象」に追加される3つの資産とは? 2023/11/08 金融庁は、岸田政権が掲げる「資産運用立国」の実現に向け、投資信託で投資できる資産の種類を増やすための環境整備を検討しています。預貯金に滞留しがちな家計金融資産を投資に回すため、資産運用の選択肢を増やすという大義を打ち出しています。ただし議論の中身に目を向けると、特に政府が足元で注力している政策テーマと関連性の強い分野への資金供給を集中的に進める狙いも垣間見えます。今回は首相の諮問機関である金融審議会傘下の作業部会における議論を踏まえ、投信の購入対象に追加され、NISAなどで投資できるようになる可能性がある資産を3つ紹介します。
記事 ガバナンス・内部監査 三菱UFJ信託「慣習に風穴」で投信コスト低減、「価格二重計算見直し」の意義 2023/10/31 岸田政権が掲げる「資産運用立国」。その具体策の目玉として浮上しているのが、投資信託の価値を算出する同じ作業を、複数の金融機関が並行して行っている「二重計算問題」の解決です。二重計算は日本独自の慣習として続いてきたものの、デジタル化、国際化が進む中で抜本的な見直しの必要性を示す企業がでてきました。そもそも二重計算のどこに問題があるのか。なぜ投信計理の効率化というニッチでテクニカルな話題を、政府は目玉施策として打ち出そうとしているのか。三菱UFJ信託が「価格二重計算」を見直し、1社計算を導入した意義と課題をお伝えします。
記事 ガバナンス・内部監査 「キャッシュレス率95%」の韓国、“日本比”3倍普及に貢献したフィンテック環境とは? 2023/10/30 2023年10月4~ 6日に「ソウル・フィンテック・ウィーク 2023」が開催された。セミナーに登壇者として参加した筆者が、韓国の金融業界およびフィンテックスタートアップの人たちと交流する機会を得たので、イベントの概要とそこから見えてきた韓国のフィンテックトレンドについて論じる。「なぜ韓国で9割以上のキャッシュレスを達成しているか」「独自の言語と文化を背景に金融サービスについてガラパゴス化のリスクがつきまとう課題にどのように対応しているか」などを探った。
記事 ガバナンス・内部監査 「新NISAだけ」は大間違い、日本の「資産運用立国」への具体策 2023/10/27 現在、政府は「新NISA」など国民向けの制度とセットで、「資産運用立国」を掲げ、金融商品の運用業務に関わるビジネス慣行の改革に乗り出す方針を掲げています。具体的な政策内容は年末までに公表予定の新たな政策プランに盛り込まれる見通しですが、実はその方向性は、金融庁が8月に公表した金融行政方針や、金融審議会内の議論の内容から探ることができます。制度改正で何が変わりそうなのか、金融ジャーナリストの筆者が解説します。
記事 規制・法令順守 迫る「経済安全保障対応」、対象の金融機関や業務・政府への届け出条項とは? 2023/10/19 8月29日に公表された金融行政方針では「わずか6行」しか言及されなかった経済安全保障対応だが、まもなく金融庁から金融業務における対応要件がガイドラインとして公表され、あわせて法の対象となる第一弾の金融機関が公示される見通しだ。関連法対応で最も厳しい要件となるのは重要な委託先を含めたサードパーティリスク対応だ。そこで本稿では改めてその要件について整理してみよう。
記事 政策・金利 なぜ先進国で日本“だけ”緩和姿勢を崩さないのか?欧米と異なる日本経済の事情 2023/10/18 日銀の金融政策を読む上で重要な8月の毎月勤労統計(10月6日発表)は、賃金上昇率がやや勢いを失いつつあることを示したが、先進国で唯一金融緩和を進める日本の金融政策の見通しに、大きな影響を与えるものではなかった。そのような中、筆者は10月に金融政策の微調整がある可能性、そしてマイナス金利解除は2024年前半と予想する。現在の政策指針(フォワードガイダンス)や植田総裁、内田副総裁、田村委員の発言を読み解きつつ、その根拠について解説する。
記事 政策・金利 「偽減税」にだまされるな、“増税メガネ”岸田首相、減税強調も12月から増税ラッシュ 2023/10/11 岸田首相は、新たな経済政策として「減税」を強調している。2021年10月の首相就任以来、減税措置を講じてこなかったために、この突然の方針変更に戸惑いや批判の声が多く上がっている。さらには、この政策を掲げて「減税解散」に踏み切るのではないか、という憶測も飛び交った。12月以降から増税ラッシュを迎えるということもあり、「偽減税」だとも言われているこの政策で岸田政権はイメージを払拭することはできるのであろうか。
記事 ガバナンス・内部監査 対マネロン「金融機関横断プラットフォーム構想」とは? 「本人確認の限界」へ挑戦 2023/10/06 高度化、深刻化するマネーロンダリングの脅威。対策に用いるデータを金融機関どうしが共有する巨大プラットフォームの創設に向けた構想が、現実味を帯びつつあります。一般社団法人金融データ活用推進協会(FDUA)が9月に開いた初の不正・犯罪対策ワーキンググループ(WG)勉強会では、システムベンダーや金融機関、金融庁、デジタル庁の各担当者が登壇し、今後の方向性について意見を交わしました。新たなプラットフォームはどのようなものになるのか、そして個人情報の共有によって生じるリスクに、いかにして対処するのか。当日の議論をもとに展望と課題をお伝えします。
記事 政策・金利 株式投資型クラウドファンディングとは何か? 業務に関する規制や規則、実績を解説 2023/10/05 企業活動にとって重要な「資本政策」。スタートアップや未上場企業に対する選択肢を充実させることは大きな課題だ。国内では、STO(Security Token Offering:セキュリティ・トークン・オファリング)や投資型クラウドファンディングを始め、多様な資本政策が、少しずつ普及してきた。本稿ではこのうち「投資型クラウドファンディング」の現状と課題について解説する。
記事 ガバナンス・内部監査 「金融行政方針2023」を読む、国はNISA刷新前に金融ビジネスを健全化できるか? 2023/09/27 金融庁は8月29日、今後1年間における政策面、監督面での活動の方向性を示す「2023事務年度金融行政方針」を公表しました。NISA制度の刷新を中心とした投資促進策が動き出す中、複雑な仕組債の不適切な勧誘など問題発覚が相次いだ金融商品販売サイドのビジネス健全化に向け、当局はどのような姿勢で臨むのか。フィンテック分野ではどのような動きがあるのか。官民への取材を基に行政方針を読み解きます。
記事 政策・金利 マイナス金利撤廃は2024年1~3月か、いよいよ現実味を帯びてきた理由とその条件 2023/09/14 9月9日に読売新聞が植田総裁の単独インタビューを報じたことで、にわかにマイナス金利撤廃が現実味を帯びてきた。具体的に何を語ったのだろうか。また、マイナス金利撤廃に関するいくつかの論点を整理し、今後のシナリオを考えたい。
記事 規制・法令順守 金融庁が求めるIT「資源、投資、リスク」管理とは? ヒントは「金融検査マニュアル」にあり 2023/09/14 連載第64回に引き続き、6月に金融庁が公表した「金融機関のITガバナンスに関する対話のための論点・プラクティス整理」(第二版)について解説する。ITガバナンス6つの着眼点のうち ITリソース管理、IT投資管理プロセス管理、ITリスク管理について読み解く。これらを解く鍵は「検査を廃止」したはずの金融検査マニュアルにある理由も解説する。
記事 ガバナンス・内部監査 「不正送金」被害が過去最多、金融機関の「口座」対策と3つのポイントとは? 2023/09/13 フィッシングなどによるインターネットバンキングの不正送金が増加しており、金融庁や警察庁からの注意喚起が行われるようになっている。最近は手口が多様化している上に、新しい手法が次々と出てきており、2023年上半期の被害件数は過去最高を記録した。また、不正送金の増加は、受け皿となる預金口座に対するニーズの拡大に伴って口座売買の増加にもつながっており、警察当局、金融機関それぞれにとって悩みの種となっている。ここでは、こうした不正送金の原因となっているフィッシングと受け皿となっている口座売買の両面から、セキュリティ脅威の現状を整理してみたい。
記事 ガバナンス・内部監査 損保ジャパン会見で深まる疑惑、デジタル施策が「PR用」といわれかねない理由 2023/09/12 中古車販売大手ビッグモーターによる自動車保険の保険金不正請求問題に関し、損害保険ジャパン本社で100人以上の報道関係者が参加した2023年9月8日の記者会見では、冒頭で白川儀一社長は辞任を表明し、同社のこれまでの対応について説明があった。ここでは、損害保険会社としての信頼回復につながったのかという視点から会見のポイントを解説する。
記事 政策・金利 金融庁らと語る「金融サービス仲介業×保険」、「レイヤー化」で差別化を 2023/09/12 前編は、金融サービス仲介業を巡る潮流として、顧客インターフェースを担うプラットフォーマーと金融サービス提供過程における連携する潮流を保険業界に即して矢野経済研究所 ICT・金融ユニットの主任研究員山口泰裕氏、ブレインパッド 執行役員 フィナンシャルインダストリー担当神野雅彦氏、金融庁 総合政策局 金融サービス仲介業室・電子決済等代行業室 丸山英敏氏が議論しました。 今回は後編です。
記事 規制・法令順守 令和5事務年度金融行政方針を読み解く、「デジタル」「経済安全保障」へ必要な対応は? 2023/09/08 8月29日、令和5事務年度の金融行政方針が公表された。例年通り、2大トピックとして「サイバーセキュリティ」「AML/CFT」の高度化が掲げられるも、当初想定されていた「経済安全保障」にほぼ触れられていないのが驚きであった。サイバーセキュリティとAML/CFTについては別に解説することとし、本稿では、その他の重要課題に加え、経済安全保障の言及が薄い背景について解説したい。
記事 政策・金利 保険×プラットフォーマーは「新結合」? それでも各社が及び腰の理由 2023/09/05 第2回は、金融サービス仲介業を巡る潮流として、顧客インターフェースを担うプラットフォーマー(ポータルサイトや大規模ECサイトなど金融以外の顧客基盤を持つプラットフォーマー)と地域金融機関との金融サービス提供過程における連携について、議論が展開されました。今回は、こうした潮流を保険業に即して矢野経済研究所 ICT・金融ユニット 主任研究員 山口 泰裕氏、ブレインパッド 執行役員フィナンシャルインダストリー担当 神野 雅彦氏、金融庁 総合政策局 金融サービス仲介業室・電子決済等代行業室 丸山 英敏氏が議論します。
記事 海外動向 トランプの邪悪な「組織的虚偽作戦」、日本も無視できない2024年米大統領選2つの潮流 2023/09/05 2024年に実施される米国大統領選挙。投票まで1年余だが、秋から本格的に有権者と世界に向けたメッセージの訴求が始まる。トランプvsバイデンの再現が叫ばれる中、トランプは虚偽の主張をしてもなお、共和党での支持率首位を誇っている。トランプの揺るがぬ支持に対して、バイデンに勝ち目はあるのか。そして両者はどのような「戦略広報」を打ち出すのか。新たな2つの潮流に注目し、解説する。
記事 政策・金利 なぜ国民は声を上げない? 株や不動産など“日本の資産”が暴落する「凶悪な未来」 2023/08/28 私は日本の将来に対して強い危惧を抱いている。それは恐怖と言っても良いものだ。今後、高齢化がさらに進展するため、社会保障財政がひっ迫し、日本経済の生産性は低下する。そして対外収支も悪化する。だが政治家は目先のばらまき政策にしか関心がない。それでもなぜ、国民は声を上げないのか。
記事 規制・法令順守 金融庁が求める「ITガバナンス高度化」、2024年度までに準備すべきことは? 2023/08/23 金融庁は6月に「金融機関のITガバナンスに関する対話のための論点・プラクティスの整理」(第二版)を公表した。来事務年度よりターゲット検査が始まるとの情報もあることから、本稿では二回にわたり、金融庁が示した本書の要点を整理し、今後の課題を特定してみよう。