記事 地方自治体・地方創生・地域経済 地方に眠る「埋蔵金」21兆円、財務省と総務省攻防のゆくえ 地方に眠る「埋蔵金」21兆円、財務省と総務省攻防のゆくえ 2017/12/13 全国の地方自治体が積み立てた21兆円を超す基金を巡り、財務省と総務省のさや当てが続いている。「新たな埋蔵金」と指摘し、年々膨れ上がる基金残高を問題視する財務省に対し、地方財政を所管する総務省は将来の財源不足に備えて必要な積み立てと反論する。2018年度の予算編成でも自治体に基金を取り崩させて地方交付税を削減したい財務省と、交付税を死守しようとする総務省の主張が正面から激突し、妥協点が見えない。甲南大経済学部の足立泰美准教授(財政学)は「自治体の多くが基金を積み増しているのは将来に不安があるからだ」と分析する。自治体の基金は積み過ぎなのか、必要な範囲なのか。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 シビックテックとは何か? 5分野別の事例に見る、社会問題のITによる解決方法 シビックテックとは何か? 5分野別の事例に見る、社会問題のITによる解決方法 2017/12/08 「少子高齢化による人口減少」「都市圏への人口流入と偏り」「貧富の差の拡大」……。山積する社会問題は、行政サービスだけは解決できない。こうした現状に対し、テクノロジーを活用して課題解決する取り組み/概念が「シビックテック」だ。本稿では「シビックテックとは何か」を解説するとともに、その取り組みを紹介する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 ついに脱・返礼品か? ふるさと納税で犬、ネコ殺処分ゼロへ ついに脱・返礼品か? ふるさと納税で犬、ネコ殺処分ゼロへ 2017/12/02 ふるさと納税の寄付金を活用して収容した犬やネコの殺処分ゼロを目指す地方自治体が徐々に広がってきた。名古屋市や兵庫県尼崎市は犬の殺処分ゼロを達成したほか、徳島県は災害救助犬やセラピードッグの育成で殺処分数を減らそうとしている。いずれも使用目的をはっきり示し、豪華な返礼品を用意していない。ふるさと納税は返礼品競争の過熱がしばしば問題になってきただけに、近畿大短期大学部の鈴木善充准教授(財政学)は「寄付金税制という観点からすると望ましい方向」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 後継者不足で損失22兆円、130年の老舗旅館が廃業せざるをえなかった事情 後継者不足で損失22兆円、130年の老舗旅館が廃業せざるをえなかった事情 2017/11/28 後継者が見つからずに経営が順調なまま廃業する中小企業が全国で増えている。廃業数は2016年、過去最高を更新したが、今後10年足らずのうちに全国250万社の経営者が平均引退年齢の70歳を迎える。このままでは中小企業の「大廃業時代」に突入し、約22兆円の損失になるとの試算も出ているほど深刻な状況だ。関西大社会安全学部の亀井克之教授(リスクマネジメント論)は「国を挙げた対策になかなか着手できなかったつけが回っている」と現状を分析する。国はようやくM&A(企業の合併、買収)の推進や事業承継税制の改正に動き始めたが、大廃業時代を食い止められるのだろうか。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 震災後に乱立、石炭火力発電所が見直し迫られるワケ 震災後に乱立、石炭火力発電所が見直し迫られるワケ 2017/11/16 2011年の東日本大震災後、原発停止の受け皿として建設が計画された石炭火力発電所が岐路に立たされている。国内の電力需要が低下しているうえ、地球温暖化防止パリ協定の発効で大量に二酸化炭素(CO2)を排出する石炭火力に厳しい目が注がれるようになったからだ。各地で新増設計画が相次いで中止になったほか、兵庫県では市民グループが公害調停の申し立てを計画、宮城県では市民が営業運転差し止めを求める訴えを仙台地裁に起こした。NPO法人・気候ネットワークの山本元研究員は「地球環境への影響だけでなく、大気汚染の不安もある。石炭火力の新増設はストップすべきだ」と訴えている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 過疎自治体が出生率トップ級に! 岡山県「奈義町の奇跡」に何を学ぶべきか 過疎自治体が出生率トップ級に! 岡山県「奈義町の奇跡」に何を学ぶべきか 2017/11/09 全国の地方自治体で少子化が深刻さを増す中、岡山県奈義町が2014年、町独自の試算で2.81という非常に高い合計特殊出生率(女性が一生に産む子どもの数)を達成した。国内で最も合計特殊出生率が高い九州、沖縄の離島部に匹敵する数値で、その後も本州トップクラスの2.0前後を記録している。岡山大経済学部の岡本章教授(人口経済学)は「2014年の数値は出生数が少し増加すると数値が急激にはね上がる小規模自治体の特性によるものだろうが、その後も他の自治体と比べると高い」と分析する。「奈義町の奇跡」ともいわれる高い合計特殊出生率はどうやって生まれたのだろうか。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 観光消費1兆円の京都市、大混雑でブランド棄損の危機に 観光消費1兆円の京都市、大混雑でブランド棄損の危機に 2017/10/25 京都市を訪れる外国人観光客の急増で、思わぬ波及効果が各方面に出ている。観光消費額は年間1兆円を突破し、市の目標を4年前倒しして達成した。市営地下鉄も1日当たりの利用者が38万人近くに達し、経営健全化計画で定めた目標に予定より2年早く到達している。その一方で、市中心部の交通渋滞はさらに悪化し、市民生活に支障が出てきた。オフィス不足や違法民泊の増加も頭が痛い。同志社女子大現代社会学部の天野太郎教授(地理学)は「市中心部は容量が限界に達し、観光客を受け入れきれなくなっている」とみている。市が解決すべき課題は少なくない。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 動物園も直面する「高齢化問題」、このままではゾウやゴリラが消えることに 動物園も直面する「高齢化問題」、このままではゾウやゴリラが消えることに 2017/10/19 全国の公立動物園でゾウやゴリラなど人気動物が高齢化している。ワシントン条約で取引規制が強化され、購入価格も高騰したため、地方自治体が人気動物を確保するのは極めて難しい状況。人気動物が死んだあと、代わりを調達できず、展示をあきらめる動物園も少なくない。岐阜大応用生物科学部の楠田哲士准教授(動物園動物繁殖学)は「もはやどこの動物園でもゾウやゴリラを展示できる時代ではない」という。公立動物園は地域の観光施設の役割も果たしているだけに、自治体の苦悩は深まるばかりだ。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 日本版DMOとは何か? 地域観光業活性化の組織が抱える課題とは 日本版DMOとは何か? 地域観光業活性化の組織が抱える課題とは 2017/10/18 東京都と地方の格差が拡大する中、日本でも地域活性化を目的とした「DMO(Destination Management Organization)」に注目が集まっている。DMOとは、地域の観光資源に精通し、地元と連携しながら観光名所を作り出す法人のこと。海外では一般的な仕組みだが、ようやく日本でも本格化している。一方で、ここ数年の取り組みから、多くの課題も明らかになってきた。ここでは、日本版DMOが必要とされる背景やその役割とともに、現在、日本版DMOが直面する課題について基礎から解説する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 地方間の「定住者争奪戦」が勃発!新幹線補助はやりすぎか 地方間の「定住者争奪戦」が勃発!新幹線補助はやりすぎか 2017/10/11 人口減少に苦しむ地方自治体が、さまざまな移住支援策を打ち出している。北海道上士幌町はふるさと納税で集めた寄付を多彩な子育て支援事業に活用し、人口増加を達成した。島根県浜田市は、シングルマザー向け支援制度で定住者を確保している。他の自治体も新幹線通勤への補助、大学生までの医療費無償化など知恵を絞った施策が目白押しだ。しかし、成功例の模倣が続き、自治体間の競争は激しさを増すばかり。島根大教育学部の作野広和教授(人文地理学)は「移住者の奪い合いが各地で見られる」と指摘。生き残りをかけた地域間競争が勃発している。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 地方自治体で非正規職員が急増、「絶望的な格差」は法改正で解消できない 地方自治体で非正規職員が急増、「絶望的な格差」は法改正で解消できない 2017/10/03 全国の地方自治体で非正規職員が急増している。総務省が2016年4月現在で実態調査したところ、都道府県、市区町村を合わせて64万人に達し、2005年に比べて4割も増えていた。退職者補充を非正規で対応してきた結果で、自治体が官製ワーキングプアを大量生産している格好。地方自治総合研究所の上林陽治研究員は「このままでは雇用の劣化が行政サービスの低下を招きかねない」と警鐘を鳴らす。5月に待遇改善を求めて地方自治法、地方公務員法が改正されたが、問題解決には悲観的な見方が出ている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 地域おこし協力隊の隊員数10倍に、任期後の起業が成功するポイントとは 地域おこし協力隊の隊員数10倍に、任期後の起業が成功するポイントとは 2017/09/26 地方に移り住み、地域活性化に取り組む地域おこし協力隊員が急増している。2016年度は全国886の自治体で3,978人の隊員が活動し、前年度を51.5%上回った。任期半ばで地域を去る隊員が少なくないのは事実だが、任期を終えた隊員の6割が活動地域にとどまり、起業や就職している。弘前大大学院地域社会研究科の平井太郎准教授(社会学)は「移住・定住施策としては極めて良好な結果。地域に前向きなインパクトを与えている点を評価すべきだ」とみている。総務省は支援体制を強化し、さらに定住を促す考えだ。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 増え続ける「買い物難民」、地方だけでなく大都市圏でも深刻化 増え続ける「買い物難民」、地方だけでなく大都市圏でも深刻化 2017/09/10 人口減少や高齢化社会の進行により、自宅近くで買い物できない「買い物難民」が増えている。以前から問題化していた過疎地にとどまらず、地方都市や大都市圏でも買い物に苦労する人が見られるようになってきた。茨城キリスト教大文学部の岩間信之教授(都市地理学)は「店舗までの距離の長短だけでなく、地域住民間の相互扶助の高低も買い物難民の発生に影響している」とみている。自治体は公設民営店舗の開設や移動販売の展開で急場をしのごうとする一方、総務省は国と地方自治体が積極的に対策を講じるよう求める通知を関係省庁に送った。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 1日2.2軒も「京町家」が消失、このまま京都の街並みは失われるのか 1日2.2軒も「京町家」が消失、このまま京都の街並みは失われるのか 2017/08/31 京都の歴史と文化をはぐくみ、情緒たっぷりの街並みを形成してきた伝統的木造建築の「京町家」。その保存を目指した「京町家保全・継承条例」案が9月、京都市議会に提出される。2016年度までの7年間に市内で5,600軒以上が消失したことが明らかになったのを受け、所有者に取り壊しの際、事前の届け出を義務づける内容だ。しかし、京都府立大の宗田好史副学長(都市計画)は「住人だけの力で京町家を保存するのは難しい。京町家を活用する新たな担い手が必要」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 「日本一厳しい」芦屋市の屋外広告条例、「セレブの街」は守られたのか 「日本一厳しい」芦屋市の屋外広告条例、「セレブの街」は守られたのか 2017/08/24 高級住宅街として知られる兵庫県芦屋市で「日本一厳しい」といわれる屋外広告物条例が2016年7月に施行されて1年が過ぎた。最長10年の経過措置があるため、景観が一変したわけではないが、アーケードの大型広告や建物の壁面から突き出した銀行の看板が撤去されるなど、効果が少しずつうかがえるようになってきた。立命館大理工学部の笹谷康之准教授(景観計画)は「広告物規制など一定のルールができ、地域のイメージを高めることは、都市のアイデンティティを高める重要な戦略になる」とみている。市の目標は世界一美しい街。達成には住民や事業者の協力が欠かせない。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 事業構想大 小塩篤史教授が指摘、地方創生のICT活用は2つの意味を持つ 事業構想大 小塩篤史教授が指摘、地方創生のICT活用は2つの意味を持つ 2017/07/14 東京一極集中が進み、地方の人口は減少の一途をたどっている。こうした中でも地域の魅力を発掘し、ブランド化したうえで、その情報を発信するにはどうすればよいのか──地方創生を真剣に議論するパネルディスカッションが行われた。登壇者は、ジェイアール東日本企画 ソーシャルビジネス開発局 次長 田邉 敬詞氏、枻出版社 第三編集局 局長 Discover Japan プロデューサー 高橋 俊宏 氏、事業構想大学院大学 研究科長・教授 小塩 篤史 氏、経済産業省 中小企業庁 経営支援部創業・新事業促進課長 和栗 博 氏の4名だ。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 いよいよ過疎地「消滅」へ、平均70歳超の村議会は維持も困難に いよいよ過疎地「消滅」へ、平均70歳超の村議会は維持も困難に 2017/07/13 日本全体が人口減少に転じる中、過疎地域が一段と深刻な状況に追い込まれている。高知県大川村は村議会議員のなり手不足から町村総会の検討に入った。宮城県石巻市の雄勝地区は東日本大震災のあと、7割の住民が戻ってこない。その一方で、全人口の過半数を65歳以上の高齢者が占める限界集落の消滅は確実に進んでいる。奈良女子大大学院人間文化研究科の中山徹教授(都市計画学)は「人口減少がより深刻な段階に入った」とみている。聞こえてくるのは、過疎地域消滅に向けたカウントダウンかもしれない。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 水道施設が老朽化、日本の「安く安全な水」の時代は終わるのか 水道施設が老朽化、日本の「安く安全な水」の時代は終わるのか 2017/07/05 安く安全な水が24時間手に入る時代が終わろうとしているのだろうか。地方自治体が埋設した水道管の老朽化が進み、破裂、漏水などの事故は年間1,000件を超す。耐用年数を過ぎた水道管を更新し、良質の水を提供し続けるには、多額の予算が必要で、人口減少時代を迎えた自治体にとって予算確保は難題だ。政府は水道法の改正案を国会に提出、施設の所有権を自治体に残しながら、運営権を民間企業に売却する民営化で苦境を乗り切ろうとしているが、海外では民営化した事業を再公営化する動きも出ている。立命館大政策科学部の仲上健一特任教授(水資源環境政策)は「民営化のリスクカバーは容易でない」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 三重県の国際会議・MICE誘致、その秘策と成功事例とは 三重県の国際会議・MICE誘致、その秘策と成功事例とは 2017/06/28 日本政府観光局(JNTO)の統計によると、平成27年に全国で開催されている国際会議2,847件のうち、関東圏での開催が844件(東京都583件、神奈川県193件、千葉県68件)、関西圏での開催が605件(大阪府242件、京都府230件、兵庫県133件)、合計1,449件と全国の半数以上を占めている。一方で地方での開催は少なく、三重県での国際会議開催状況は、平成28年の実績は17件。このうち、主催者が三重県関係者(三重大学含む)以外のものは、伊勢志摩サミットおよびジュニアサミットを除くと2件だ。この状況を改善するために三重県が打ち出したのが、営業委託による国際会議の誘致だ。これにより関東圏・関西圏を中心とした県外で開催されている国際会議を、三重県に誘致することを目指していく。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 「限界マンション」が急増、やがてスラム化し廃墟となる 「限界マンション」が急増、やがてスラム化し廃墟となる 2017/06/27 修繕もままならず、廃墟と化すのを待つしかない「限界マンション」が全国で増えてきた。行き場のない高齢者が取り残され、都会に生まれた限界集落の様相を示している。そこに見えるのは、人口減少時代を迎えながら住宅の過剰供給に打つ手を持たない住宅政策の貧困ぶりと、世界に類のない速度で少子高齢化が進む未来の縮図だ。松本恭治 高崎健康福祉大 元教授(住居衛生学)は「日本には古いマンションを維持し、長く利用する仕組みがない」と批判する。老朽マンションが生き残る方法はないのだろうか。ヒントを京都市の古いマンションで見つけた。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 富岡製糸場と凸版印刷が「VRとスマートグラスで体験できる世界遺産」を実現した方法 富岡製糸場と凸版印刷が「VRとスマートグラスで体験できる世界遺産」を実現した方法 2017/06/21 日本初の官営模範工場として、明治の殖産興業を支えた富岡製糸場は、2014年に世界文化遺産に登録された。年間100万人の観光客を呼び込める群馬県のランドマークになった富岡製糸場だが、富岡市はさらに観光客を呼び込むために、スマートグラスやVRなどの先端映像技術を用いることで、地域の魅力を広めようとしている。群馬県富岡市世界遺産部 部長の中嶋一雄氏と凸版印刷の中村卓史氏が、その取り組みについて紹介した。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 骨太方針で東京23区の大学増設を抑制、地方からも不満続出のワケ 骨太方針で東京23区の大学増設を抑制、地方からも不満続出のワケ 2017/06/14 政府は経済財政運営の基本方針「骨太の方針 2017」に東京23区内での大学の新増設を抑制する方針を盛り込んだ。若者人口の東京一極集中を是正するのが目的で、今後法規制の検討に入り、定員割れで経営悪化が続く地方大学の振興にも着手する方針。しかし、18歳人口が減少に転じる「大学の2018年問題」を前に、首都圏の大学は生き残りをかけて都心回帰と駆け込み定員増を続けてきた。地方に魅力的な職場も生まれていない。日本私立大学協会の小出秀文常務理事が「単に23区から大学を締め出すだけでは十分な効果を上げられそうもない」と指摘するなど、効果に懐疑的な見方が出ている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 空き家バンクが全国一元化、「3.3戸に1戸が空き家」の解消につながるか? 空き家バンクが全国一元化、「3.3戸に1戸が空き家」の解消につながるか? 2017/06/09 国土交通省は地方自治体が個別に運営する「空き家バンク」の情報を一元化し、2017年度中に全国版サイトを立ち上げる。国土審議会が2016年にまとめた土地政策の報告書で示した施策で、全国の空き家情報を集約し、移住希望者がインターネット上で条件に合う物件を見つけやすくするのが狙いだ。しかし、全国の空き家バンクでマッチングが順調に進んでいるのは少数。徳島大総合科学部の田口太郎准教授(地域計画学)は「大半の空き家バンクは使い勝手が悪く、不動産市場で流通が困難な物件が多い。今のまま一元化してもどこまで効果があるかは疑問だ」と指摘する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 熊本の未来会議室が「100回ルールを変えた」理由とその成果 熊本の未来会議室が「100回ルールを変えた」理由とその成果 2017/06/06 2014年に熊本に誕生したコワーキングスペース「未来会議室」。その立ち上げ時から運営に携わり、広報活動や熊本におけるコワーキングの推進、人と人のマッチングに日々励んでいる工藤 英揮さんに、熊本でビジネスに取り組む思いのたけを聞きました。2016年4月に熊本を襲った大地震では、公私ともに深刻な被害を受けたそうですが、その中から得られたものもあったといいます。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 三重県鈴木英敬知事が語る、伊勢志摩サミット記念館「サミエール」 三重県鈴木英敬知事が語る、伊勢志摩サミット記念館「サミエール」 2017/06/01 伊勢志摩サミット以来のビックイベントとなった「お伊勢さん菓子博2017」は58万4100名もの入場者を迎え、大盛況のうちに閉幕した。兵庫、広島、石川県に次いで歴代4位の入場者数となり、地方開催のイベントとしては大成功だと言えるだろう。三重県では、ポストサミットの取り組みを進めており、今月26日には、伊勢志摩サミットのレガシーを伝える施設として「伊勢志摩サミット記念館(愛称:サミエール)」 をオープンした。そこにはいかなるねらいがあるのか。三重県 鈴木英敬知事が語った。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 諫早湾「ギロチン」から20年、深まる混迷と対立でいまだ出口見えず 諫早湾「ギロチン」から20年、深まる混迷と対立でいまだ出口見えず 2017/05/15 「ギロチン」と呼ばれた潮受け堤防が、長崎県の諫早湾を分断して20年。国内最大級の干潟が農地に変わる一方、有明海では漁獲量の低迷が続く。堤防の開門調査差し止めを命じる4月の長崎地裁判決に対し、国は控訴せず、開門しない方針を示したが、福岡高裁が出した開門調査を命じる判決が既に確定、相反する司法判断が存在している。横浜国立大大学院の宮澤俊昭教授(民法)は「国が開門しない立場を明言した以上、主体的に紛争解決へ道筋をつける責任が生じた」、成蹊大大学院の武田真一郎教授(行政法)は「開門調査で事業を検証しなければ必要な対策ができない」と指摘する。有明海を覆う異常事態の出口は見えない。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 三重県で開催中のGW穴場イベント、100年以上の歴史を誇る「菓子博」 三重県で開催中のGW穴場イベント、100年以上の歴史を誇る「菓子博」 2017/04/28 全国菓子大博覧会(以下、菓子博)は、国内最大級のお菓子の祭典としてほぼ4年に1度、全国各地を回って開催されている。地域の菓子屋がつくっている菓子工業組合が主催し、地方自治体がバックアップする菓子博の歴史は古く、1911年(明治44年)の第1回帝国菓子飴大品評会にさかのぼることができる。戦争による一時中断や復活、名称を全国菓子大博覧会と変えて、これまで26回開催されてきた。27回目を数える2017年の菓子博は「お伊勢さん菓子博2017」と題し、三重県で4月21日から5月14日まで開催される。大手菓子メーカーとのコラボ企画や次世代を担う若手職人の育成など、開催県である三重県知事の鈴木英敬知事が紹介する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 高齢化が進む泉北ニュータウン、将来のタワーマンションにも通じる問題とは 高齢化が進む泉北ニュータウン、将来のタワーマンションにも通じる問題とは 2017/04/25 西日本最大規模を誇る大阪府の「泉北ニュータウン」が街開きして50年。街の老朽化とともに、人口減少と高齢化が進み、店舗の撤退など住民生活への影響が出てきた。大阪府や堺市は街と住宅のリニューアルを進めるとともに、郊外の自然の中で暮らすライフスタイルをPRして子育て世代を集めようとしているが、人口減少と高齢化は全国のニュータウンに共通する悩みだ。大阪市立大大学院生活科学研究科の森一彦教授(居住福祉環境デザイン)は「人口減少が進む日本社会の10~20年先の未来がここにある」と現状を分析する。泉北ニュータウンは新時代の街として生まれ変わることができるのだろうか。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 残骨灰に含まれる有価金属を自治体が「換金」、どう扱うのが適切なのか 残骨灰に含まれる有価金属を自治体が「換金」、どう扱うのが適切なのか 2017/04/20 金歯など火葬場で出る残骨灰に含まれる有価金属を、東京都や名古屋市など一部の地方自治体が換金し、雑収入として予算に繰り入れていることが分かった。遺族の収骨後、残骨灰の所有権が自治体に移るため、有価金属の換金は法的に問題ないとされている。しかし、遺族の中に複雑な感情を抱く人が少なくなく、遺体の一部を換金するのは不遜との声があるのも事実。社会福祉士で葬儀コンサルタントの吉川美津子さんは「個人の尊厳や遺族感情への配慮を念頭に慎重に対応してほしい」と指摘する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 劇団「わらび座」は、なぜ秋田県活性化のために複合エンタメ企業を目指すのか 劇団「わらび座」は、なぜ秋田県活性化のために複合エンタメ企業を目指すのか 2017/04/05 ノンバーバルなパフォーマンスを行う京都の小劇場「GEAR」や、漫画・アニメ・ゲームを原作とする2.5次元ミュージカル専用劇場の「AiiA 2.5 THEATER TOKYO」など、いま日本の演劇コンテンツが海外のインバウンドに高い人気を博している。そんな中で、日本の伝統を守りながら、北東北という地域に根差した活動を行っているのが、あきた芸術村の「わらび座」だ。