- 2005/09/05 掲載
ビジネス推進力としての情報セキュリティマネジメントを考える【第3回/全4回】
Webサイトの役割とセキュリティの重要さを認識する
ここまで、情報インシデントとそのマイナスの影響ばかりを述べてきた。では、そうし た危機管理への認識を、どのように「攻めの経営」を実現するためのプラスの方向に生か していったらよいのだろうか。
Webサイトは「バーチャル売店」ではない!
コマースサイトはもはや、実際の販売店舗の補完物ではない。「楽天市場」や「Yahoo!オ ークション」といった実店舗を持たないビジネスモデルが大きな成功を収めていることか らも明らかだ。コマースサイトでショッピングを楽しむ顧客は、商品だけを見ているので ない。その企業の姿勢やサービスに対する考え方までを吟味し、見抜くのである。情報セ キュリティを考えることは、自社の対外イメージそのものを考える重要事項なのだ。
セキュリティデータは貴重な経営指針を秘めた宝の山
正当な手段で手に入れた顧客データは、自社の今後の戦略にとって何よりも重要な資料 になる。実際、現代のWebサイトは、顧客データとニーズをリアルタイムで収集・解析し、 商品提案までを実現できるシステムと能力を備えているのだ。 ただし、気をつけなくてはならないのが、個人情報保護法である。この法律では、たと え正当に入手した顧客データであっても、本人の請求があればその利用目的や情報の中身 を明らかにしたり、流用する場合は本人に通知することが義務づけられている。自社の顧 客データだからといって、自由に取り扱ってよいということにはならないのだ。経営者は、 この点をよく頭に入れておきたい。
初めての出会いを大切にする企業が未来をつかむ
コマースサイトを訪れる客は、Webサイトで初めて、その企業や店舗と出会うというケ ースが非常に多くなっている。つまり、出会いの第一印象はそこで決まってしまうのだ。 その時、Webサイトが動かなかったり、情報管理の杜撰さが分かったら、その企業は永遠 に「ダメ」の烙印を押されてしまう。Webサイトとブランドの信頼性が、ダイレクトに業 績の伸びに関わってくるといってよいだろう。
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