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  • 2023/06/21 掲載

ティファニーも積極活用、インスタなど実装の「AR広告」や「ARミラー」の可能性

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メタはこれまで、メタバースを成長戦略の中心に掲げ、VR(仮想現実)分野に注力してきた。しかし、今後はMR(複合現実)やAR(拡張現実)にもリソースを配分していくことになりそうだ。実際、5月のイベントでインスタグラムとフェイスブックにおけるAR広告機能の拡張を発表している。先行するスナップの取り組みとともに、AR広告をめぐる最新動向を追ってみたい。

執筆:細谷 元

執筆:細谷 元

バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/

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メタによると、AR広告は非AR広告に比べ、Z世代に対する広告効果が高い
(Photo/Shutterstock.com)

インスタグラムとフェイスブック、AR広告を強化

 一時の暴落から株価が回復基調にあるメタ、ジェネレーティブAI(生成AI)の開発・投資に注力するとしつつも、引き続きメタバースの取り組みにも力を入れる方針だ。

 メタバース関連では、これまで主にVRに焦点が当たっていたが、今後はAR関連の取り組みも拡大する構えを見せている。

 2023年5月1~4日の日程で開催された世界最大のデジタルマーケティングカンファレンス「IAB NewFronts」で、メタはインスタグラムのリールズとフェイスブックのストーリーズにAR広告機能を導入すると発表した

 フェイスブックフィード、インスタグラムフィード、インスタグラム・ストーリーズ向けには、すでにAR広告機能が実装されていたが、今回の発表によりAR機能の範囲が拡張される格好となる。

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2022年10月に発表されていたインスタ向けAR広告機能
(出典:メタ発表資料

 同社のデータによると、AR広告は非AR広告に比べ、Z世代に対する広告効果が高くなることが明らかになっている。メタは、インスタグラム・リールズとフェイスブック・ストーリーズにAR広告機能を追加することで、Z世代へのアプローチを強化したいと考えるブランド企業の広告予算を取り込む算段だ。

 メタの新AR機能のローンチに先立ち、大手ブランドのティファニーと化粧品・香水ブランドのセフォラが同機能を活用した広告キャンペーンを試験している。

 ティファニーは、ニューヨーク5番街にある自社の旗艦店「The Landmark」内で、ジュエリーを見て回れるAR広告を作成した。

 また、セフォラは、リールズのAR広告機能を活用し、ユーザーが画面に親指を押し当てると「aura vive」と呼ばれるエフェクトを生成するARフィルターを作成。ユーザーのフレグランス選びを助けるARフィルターであるという。セフォラによるとこのARフィルター機能のユーザーの半数以上がZ世代であったとのことだ。

AR広告の取り組み、先行するのはスナップ

 今回、メタがインスタグラムとフェイスブックのAR広告機能を強化したことで、AR広告予算をめぐるスナップとの競争で有利に立つ可能性があるが、先行するスナップもARに関する取り組みを拡大しており、メタが競争優位を獲得するのは容易ではない。

 メタが主にVRに注力する間、スナップは技術的にAR機能を強化しただけでなく、ARアプリの開発環境整備、ブランド企業のAR活用支援など、ARエコシステムを整備してきており、すでに多くのブランド企業によるAR活用事例を生み出すことに成功しているからだ。

 スナップは、ソーシャルメディアアプリ「Snapchat」を運営する企業。TechCrunchが伝えた情報によると、Snapchatの1日あたりのユーザー数は3億7500万人、このうち同プラットフォームのAR機能「Lenses(レンズ)」や「Filters(フィルター)」の利用者は、2億5000万人に上るという。また、ユーザーがショッピング関連のARレンズを使用した回数は50億回を超える。

 具体的にARでどのような取り組みを実施しているのか、直近の動向を見てみたい。

 2023年2月、スナップは、ARレンズプラットフォーム「Lens Studios」にて、「レイトレーシング」機能を追加したことを発表、また同時にこの新機能を用い、ティファニーとのコラボレーションを実施することも明らかにした。

 レイトレーシングとは、光の動きをシミュレートし、リアルな反射をレンダリングする技術。近年ビデオゲーム界隈で映像のリアリティを高める技術として注目されている。このレイトレーシングをARレンズに導入することで、ダイヤモンドやプラチナといった宝石・貴金属、自動車、アーキテクチャーなどをARでリアルに再現することが可能となる。

 早速このARレイトレーシングを活用したのが、こちらもティファニーだ。同社は、ブレスレットコレクションである「Tiffany Lock」をバーチャル試着できるARレンズを作成、Snapchatユーザー向けに展開している。

 ティファニーは、2022年にロンドンのサーチギャラリーで開催されたLVMHブランドの展示会で、フラッグシップともいえる128.54カラットのダイヤモンドを仮想的に試着できるAR体験を披露するなど、スナップのAR機能を積極的に活用するブランド企業の1つとして、その動向が注目されている。 【次ページ】スナップ、企業のAR広告取り組みをさらに促進

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