- 2006/10/24 掲載
【国内ITアウトソーシング市場調査】2010年には2兆3000億円に達する見込み
・ 同市場は、2007年以降緩やかに前年比成長率を下げながら推移し、2010年の同市場規模は2兆3,382億 円に
・ サービスベンダーにとっては、マルチソーシング対応など新たなビジネス展開が重要
IDC Japanは、国内ITアウトソーシング市場規模予測を発表した。調査結果によると、2005年の国内ITアウトソーシング市場規模は前年比6.7%増の1兆7,635億円。同市場は、2005年~2010年の年間平均成長率(CAGR)5.8%で成長し、2010年には2兆3,382億円に達する見込みである。
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国内ITアウトソーシング市場規模予測、2005年~2010年
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国内ITアウトソーシング市場は、企業の情報システムに関する「コスト削減」「技術・要員の補填」「安定運用」に対する期待から高い成長を続けている。しかし、市場規模の拡大と共に安定成長期を迎え、2007年以降緩やかに前年比成長率を下げながら推移するとIDCでは予測している。
2005年、国内ITサービス市場では需要の増加とITエンジニア不足から、ソフトウェア開発などのサービス単価は下げ止まり、上昇傾向となったが、ITアウトソーシングにおけるサービス単価の下落は継続している。このことは、サービス内容の精査、契約の見直しを進める顧客の増加や、サービスベンダー間の競合激化、IT製品価格の低価格化が大きな要因となっている。また、人月/製品単価を基本としたITアウトソーシングには成熟感がみられ、サービスベンダー間の技術格差も減少し、同サービスのコモディティ化が見られる。
IT製品・ソリューションの発展、BPO/SaaSなどアウトソーシングの多様化、ITアウトソーシングのコモディティ化などにより、情報システムの導入・運用における顧客の選択肢は増加している。今後、複数のアウトソーシングやインソースを組合わせて活用するマルチソーシング化を図る企業の増加が予測される。しかし、マルチソーシング化には、ベンダーや製品・サービスの評価、関連市場の把握、業務との連携などIT統制を始めとした高い能力が企業には求められる。
「安定成長期を迎え、コモディティ化が見られる国内ITアウトソーシング市場では、顧客のマルチソーシング化に対応したサービスの提供がサービスベンダーには求められる。マルチソーシング時代では、サービス内容の明確化は勿論のこと、業界標準への対応などが必要となる。また、顧客のIT戦略を理解し、IT統制を支援・実行するサービスなど新たなビジネス展開が重要になる」とIDC Japan ITサービス担当シニアマーケットアナリスト松本聡氏は述べている。
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