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- 2006/12/21 掲載
『Web2.0ビジネス』(1)--参加型アーキテクチャと蓄積データのビジネス適用(4/4)
Yahoo!のトップページにあるディレクトリ型のような従来の分類方法とは異なるまったく新しい情報の分類方法に、タギング(Tagging)と呼ばれるものがある。ユーザーがタグ(Tag)と呼ばれるラベルを使い、自由にカテゴリを設定する分類方法である。
写真など通常の分類方法では分類が困難なデータでも分類を可能にするため、現在多くのサービスに導入されている。ユーザーに求められる行為はいたってシンプルで、分類したい対象(写真など)に対して、テキストBOXへ自由にテキストを打ち込むだけである。一度に複数のタグを付ける場合も、カンマや空白などのルールに従って文字を入力するだけでよい。
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タグクラウド
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私が所属するマイネット・ジャパンが運営するnewsingでは世の中のニュースの中からユーザーがおもしろいと思ったニュースを選び、○×によってランキングを決めるソーシャルニュースサービスを提供している。本サイトはユーザーが選んだニュースに従来の「経済」や「社会」というカテゴリではない自由なタグを付けられるようになっており、あるニュースにどのようなタグが付けられているかを一覧することができる。その逆にあるタグがどのようなニュースに付けられているかも一覧することもできる。
上記タグクラウドの例示画像はnewsingでよく使われるタグをタグクラウドで表示したものである。よく使われるタグは大きく表示され、最近使われたタグであれば濃い色で表示され古くなるにつれて色あせていくようになっている。
このような自由度の高い分類方法を用いることによって、ユーザーは自分のニーズにマッチした情報が簡単に探せるようになったり、場合によっては自分の設定したキーワードのみ表示するようなフィルタを設定することで、自分のニーズに最適なサービスにカスタマイズできるというメリットが生じるのである。
最近ではYouTubeなどの動画共有サービスも増えている。データの大容量化がコスト増大につながることは容易に予想でき、一部からは収益面が不安視されている。現在多くのウェブサービス事業者は広告収入に依存しているが、その事業コストに見合った収入を得るための方策を生み出すことも大きな課題といえるだろう。
中元正也 マイネット・ジャパン システム開発部 部長 神戸大学大学院自然科学研究科修士卒業後、4年間組込系OS向けの画像処理ライブラリ開発や研究開発に従事。2006年7月マイネット・ジャパンに創業メンバーとして参画。データマイニングや日本語解析を専門とし、それらを活用したWebシステム開発などに従事している。 |
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