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  • 2006/12/21 掲載

『Web2.0ビジネス』(1)--参加型アーキテクチャと蓄積データのビジネス適用

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2006年に大流行した「Web2.0」は、インターネットビジネス領域におけるトレンドの総称といえる。そのアーキテクチャには「アフィリエイト」「ロングテール」といったさまざまなキーワードが登場した。本稿ではその本質を技術視点で俯瞰的に解き明かしてみよう。
 「Web2.0」という言葉は2005年9月に発表されたティム・オライリー氏の論文『What is Web2.0』をきっかけに一気に広まった。Web2.0という言葉自体に明確な定義があるわけではなく、ここ数年のインターネットビジネス領域におけるトレンドの総称だといえる。

Web2.0が生まれる社会背景


 Web2.0は当初、海外のサービスが話題の中心となっていたが、最近では日本国内でもWeb2.0的なサービスが乱立するようになった。いまや世界的な動きとなりつつあるが、大きく広がった理由として3つの社会的背景が挙げられる。1つ目はチープ革命[*1]オープンソース[*2]の波によりインターネット上でサービスを生み出すためのコストが大きく下がったこと、2つ目はブロードバンドやモバイルの普及によりユーザーのインターネットへのアクセスが日常的となったこと、そして、3つ目は社会のインターネットリテラシーの向上によりユーザーのインターネットに対する寛容度と便利なサービスへのニーズが高まったことである。

Web2.0が大きく広がった理由
Web2.0が大きく広がった理由


 そのような背景の下、「Web2.0」というビジネス・技術・マーケティングの広範囲にまたがる概念が登場し、ネットバブルの崩壊により停滞していたインターネットビジネスが再び注目を集め始めた。さらにGoogleやAmazonなどの大規模事業者が自社サービスのAPI(Application Program Interface)を開放した結果、「マッシュアップ」と呼ばれる“サービスの組み合わせ型開発手法”が登場したことにも大きな注目が集まった。

ロングテールとは
ロングテールとは
 また、小さなウェブサービス事業にアフィリエイト[*3]のような収益化の手段ができたことも多くの便利なサービスを生み出す原動力となった。たとえば、ビジネス領域で生まれた「ロングテール」という概念がある。これは、Amazonのようなネット小売においてほとんど売れないニッチ商品の売上の合計額が売れ筋商品の合計額のように大きな割合を占めるような現象のことで、売上順に売上額を描いたグラフ(右図)のニッチ商品のグラフの形状が尻尾(tail)のような長い形状であることからこのように命名された。

 ネット小売に限らずGoogle AdSenseやオークションのようなサービスでは、ユーザーセルフサービスによってロングテールを取り込んだことで高い収益を得ることが可能となったのである。人通りの多い場所でも、人通りの少ない場所でも商売ができる仕組みを考え出したことが成功につながったといえる。


[*1]チープ革命
米経済誌ForbesのコラムニストRich Karlgaardが提唱したとされる概念。モノやサービスが画期的に低価格化し、社会に革命的変容がおとずれることを指している。

[*2]オープンソース
従来ソフトウェアは開発者の利益を独占するためにソースコード非公開で開発していたが、誰でも改良や再配布を行えるようにするために特定ライセンスの下ソースコードを公開し開発する手法、またはソフトウェア。この最大の成功例がLinux。

[*3]アフィリエイト
リンクを設置したサイト側に一定のマージンをもたらす仕組み。Amazon アソシエイトに代表される。

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