- 2007/01/16 掲載
Web2.0と、今後のWeb
【売上アップ】Web2.0
情報化社会の基本的な本質は、1言で言えば多様化である。1つひとつのコンテンツの質よりも、どれだけ多様なものを用意できるかが勝負だ。多様化したものが勝つといっても過言ではない。
その根底にあるのがWeb2.0だ。Web2.0の特徴に、ユーザーの手によって情報を自由に整理するということや、インターフェイスの革命によるリッチなユーザー体験がある。特にインターフェイスは大変な勢いで変化しており、既存のページ制限をなくしてしまった。またコンテンツ制作やリンク構造の構築をユーザーに委ねるユーザー参加の仕組みも顕著で、ユーザーを全面的に信じるという姿勢が強くなっている。
Web2.0は結果的に、サイトとサイト外部との関係性に革命をもたらしたといえる。今まで、サイトオーナーや運営者が作ってきたコンテンツを、外部から引っ張ってくることで多様化が急激に進むという現象が起きているのだ。「mixiミュージック」が、iTunesと連携することで、ある日突然、mixi内で音楽コンテンツが扱えるようになったことも一例と言える。
コンテンツをトップページから階層化し、配置するという従来型のディレクトリ構造は、Web2.0以降ほとんど意味をなさなくなっている。コンテンツが爆発し、ユーザーの選択肢がかつてないくらいに膨れあがっている。そこで今後は、あるコンテンツから別のコンテンツへとユーザーを動的に導く仕組みが必要になる。そのたびごとに最適なリンク構造を作り替える技術として、マッチングなどのサーチテクノロジーが重要になると考えている。
![]() |
代表取締役社長 猪子寿之氏 この記事の内容は ストリーミングでも視聴できます。 |
具体的なテクノロジーを簡単に説明すると、一番有名なのは「レコメンデーションエンジン」といわれているものだ。ユーザーの行動履歴などを参照して、コンテンツをレコメンド(推薦)する。Amazonなどのオンライン書店が提供しているものが、その代表だ。それから「コンテンツマッチングエンジン」。結果的にレコメンデーションエンジンと似ているが、行動履歴ではなくコンテンツそのものの内容を判断して、近しいコンテンツを自動的に表示する。Googleのアドセンスや、isa(イザ)の関連ニュースなどがこれにあたる。
これらのサーチテクノロジを発展させることは、ユーザーのニーズにもマッチする。ユーザーの選択肢が増えると、あらゆるジャンルで「自分がまだ知らない、より好きなもの」に出会いたいという気持ちが強くなる。こうしたものは、キーワードやスペックから検索することはまず不可能だ。より直感的に探せるような技術、サイト内のコンテンツを見える化して直感的に探せる技術が必要になる。これは検索なのかマッチングなのか分からないが、その中間ぐらいの技術を採用したサイトが今後は出てくるだろう。
チームラボは、2001年3月から活動を開始。従業員はちょうど100名ぐらいで、エンジニアが70%、ネットワークエンジニアとコンサルタント、クリエイティブがそれぞれ約10%になる。
事業の柱は、インターネットテクノロジーの開発と販売だ。レコメンデーションエンジンをはじめ、さまざまな検索エンジンを開発し、販売している。売上げ比率がもっとも高いのは、Webサイトの制作で、コンサルティングから、企画、設計、開発、デザイン、SEOまでのトータルのソリューションを提供している。また関連企業を通して、「SAGOOL(サグール)」や「wacca(ワッカ)」などの検索エンジンサービスも提供している。
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR