青本と赤本

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写真1 赤本と青本
青本がサービスサポート、
赤本がサービスデリバリ
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ITIL(Information Technology Infrastructure Library)(*1)とは、ITサービスマネジメントのデファクトスタンダード(事実上の標準)と呼ばれている。「Library」とその名が示すように、ITILは書籍群のことである。1980年代後半に英国のCCTA(*2)により「ITIL V1(Version 1)」が制定され、当初は40冊程度の書籍で構成されていた。
2000年ごろからITILの統合化が進み、「ITIL V2(Version 2)」では副読本のソフトウェアアセットマネジメントを含む9冊のITIL書籍に集約し出版されている。一般にITILとは、この中の2冊「サービスサポート」と「サービスデリバリ」を指すことが多く、書籍の色からそれぞれ「青本」「赤本」と呼ばれる(
写真1)。
ITILの策定までには多くの公的機関、ベンダー、コンサルタント、ユーザーの経験・知識・開発を経ている経緯がある。ITILは公表以来、ITサービスマネジメントのベストプラクティス向上を目的としたグローバルコンソーシアム(itSMF(*3)を参照)により改善され、現在も進化を続けているわけだ。
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