開閉ボタン
ユーザーメニュー
ユーザーメニューコンテンツ
ログイン

  • 会員限定
  • 2008/02/20

【インタビュー】新発想のデータセンター設計で省電力化を進めるAPC

APCは、電源・ラック・冷却装置、それらを統合的に管理する管理システムもラインアップしている物理インフラの総合ベンダである。データセンターはもちろん、自社にサーバルームを持つような企業にも、グリ―ンIT実践に効果的なソリューションを提供してくれる。近年、APCが特に力を入れているのがデータセンターのグリーン化だ。実は、ほとんどのデータセンターで消費される電力のうち、情報機器が消費しているのは半分に満たない。大半の電力はサーバルームの冷却や電源装置の維持に消費されており、しかもそれが大きな無駄を生みだしているのだという。


必要なときに必要な機能を追加し、無駄を排除

【ITアーキテクト】新発想のデータセンター設計で省電力化を進めるAPC
エーピーシー・ジャパン
マーケティング本部 ディレクター
坂内美子氏(Yoshiko Bannai)
 従来、データセンター設計においては、5年後や10年後の需要を想定したラックスペースや電源、冷却設備の確保が行われていた。想定された需要増が発生するまでの間は常にオーバースペックな状態でデータセンターを運営することが前提となっていたのだ。

 さらに、劇的な進化を続けるIT事情の5年後や10年後を正確に予想することはほとんど不可能だという事実が、もうひとつの問題となっている。予想をはるかに上回る需要が訪れ、改修を余儀なくされたデータセンターもあれば、機器自体の省電力化により、消費電力の増加が少なかったデータセンターもあるかもしれない。こうした予想のブレも、データセンターにおける設備の無駄につながっている。

 データセンターの設計手法自体を見直し、電力消費の無駄を可能な限り低く抑えるためにAPCが提唱しているのは、InfraStruXure®(インフラストラクチャ)というモジュール化された設備の活用だ。これまで、冷却設備や電源設備はデータセンター設計時にすべて用意するのが一般的だった。そうして作られたスペースに必要な数のラックを設置していたのだ。

「APCのInfraStruXure®はこうした既成概念を廃し、電源装置や冷却装置もラックと同じように、必要な時に必要な数だけ導入するという考え方を提唱しています。そうすることで、その時々に必要な電源容量や冷却性能だけを利用できますから、電源消費の無駄を大幅にカットすることが可能です。」(エーピーシー・ジャパン マーケティング本部 ディレクター 坂内美子氏)

 それを実現するのが、ラックと同じサイズでモジュール化されたインフラ製品群だ。UPSや分電盤、冷却装置などがそれぞれラックと同じサイズで提供されている。それらをブロックのように組み合わせることで、電力や冷却能力のスケーラビリティが向上し、データセンターのライトサイジング化を実現できる。増加する需要に合わせて、新たな情報機器を設置するラックとともに、必要な分だけの電源装置や冷却機能を追加していけるのだ。電源消費の無駄をなくすことで環境にやさしいデータセンターを実現できるだけではなく、必要なときに必要な機能だけを選択して導入できるので、運営コストの面でも大きなメリットを得られる。


排熱、冷却の効率化による省電力化

 冷却装置がモジュール化すること自体にも、省電力化につながるメリットがある。サーバルーム全体を冷却する従来の方式では、すみずみまで効率的に冷気を行きわたらせることは難しく、どうしても冷気が届かない熱だまりが発生する。特に、近年進むブレードサーバの普及により、ラック内の機器の密度は高くなる一方だ。こうした高密度化が今後も続けば、特定のポイントだけが高温になる状況は増えていくだろう。その熱だまりをなくすためにサーバルーム全体をより強力に冷却することになれば、さらに膨大な電力の無駄が生まれてしまう。モジュール化されたAPCの冷却装置は、熱源となる機器に近い場所で冷却できるため、それぞれの場所に必要な能力のみで運用できる。

 その具体的な方法が、ラック列単位冷却の実現だ。ラック列冷却とは、発熱密度の高いラック列内に冷却装置を設置し、ラック列ごとに冷却温度を管理する手法のこと。「冷却する必要のある列だけを冷却することによって、部屋単位の冷却に比べ、冷却能力の無駄をなくすことができます」(坂内氏)。

【ITアーキテクト】新発想のデータセンター設計で省電力化を進めるAPC
※クリックで拡大
図1:CO2の年間削減量


 上の図1は、従来の冷却方式とAPCの列冷却方式によるCO2排出量やランニングコストを比較したもの。図中にCRACと示されているのはComputer Room Air Conditioner、つまりサーバルーム全体を冷却する従来の方式である。カッコ内のDXは空冷(冷媒)仕様、CWは水冷仕様を示している。InRow RP DXおよびInRow RCはいずれもAPCの列冷却方式のこと。こちらもRP DXが空冷(冷媒)仕様、RCが水冷仕様となっている。表を見てわかるとおり、ランニングコスト、CO2排出量ともに大幅な削減が見込める。特に水冷仕様のCO2削減効果は高く、環境面でもコスト面でも列冷却が優れていることがわかるだろう。

 具体的には次のような方法が採られている。ほとんどのサーバは前面から冷気を導入し、内部を冷却して熱くなった空気を背面から排出する。それぞれの列でサーバが背面同士、もしくは前面同士になるようにラックを配置すれば、背面同士が向かい合う列には高温の空気が集まることになる。しかし、この列は排気される一方の列なので冷却する必要はない。背面同士が向かい合う熱い列の空気を冷却装置に導入し、冷たい空気として前面同士が向かい合う列に戻してやればいいだけだ。こうすることで、サーバが冷気を導入する前面同士が向かい合う列のみ冷却でき、冷却能力をさらに効率化できるという訳だ。

環境対応 ジャンルのトピックス

PR

ビジネス+IT 会員登録で、会員限定コンテンツやメルマガを購読可能、スペシャルセミナーにもご招待!