• 2008/03/10 掲載

【インタビュー】「難解で高価」のイメージを刷新するマイクロソフトのBI

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近年、BI(Business Intelligence)への企業の注目度が、大規模企業を中心に急速に高まっている。しかし一方では、やみくもに高価なBIツールを導入したはいいが、肝心の戦略が曖昧であったり、ツールを使いこなせずに頓挫していたりという例も少なくない。マイクロソフトはそうしたわが国のBIの現状に対し、あらためて基本的な考え方の重要性と、その実践のためのBIツールを提唱するべく、「BI Enterprise Special Seminar」を開催する。セミナー本番に先立って、マイクロソフトの提唱するBIとツールの注目点を聞いてみよう。

「高い・難しい」という旧来のイメージを刷新し
BIツールの未来像を示すセミナーに

【マネジメント】「難解で高価」のイメージを刷新するマイクロソフトのBIに注目!
マイクロソフト
サーバープラットフォームビジネス本部
アプリケーションプラットフォーム製品部
シニアプロダクトマネージャ
猪瀬森主氏
「BIという言葉自体は、10年前に比べればかなり広く知られてきています。しかし本当の意味が浸透しているか、ビジネスの現場で正しく実践されているかといえば、まだまだです。とくに『データを分析して意志決定を行う』という基本イメージまでは何となくわかっていても、肝心の『その分析結果を、どんな分野でどう活用するか』という具体的なビジョンが見えていない。しかも過去の『BIはカネがかかるし難しい』というイメージは依然根強く、本格的なBIの普及はむしろこれからです」と、マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 アプリケーションプラットフォーム製品部 シニアプロダクトマネージャ 猪瀬森主氏は、わが国のBIの現状を語る。

 たしかに従来のBIツールは、非常に高価な専用ツールばかりで、しかも数理統計などの専門知識を要する、「買いにくく、扱いにくい」イメージが強かった。マイクロソフトはこうしたBIのあり方に一貫して異議を唱え、ユーザー志向で適正なコストのツールを早くから提供してきた。その成果を今回のセミナーでは、改めて訴求したいと猪瀬氏は語る。

「既存のBIツールはベンダの買収などで勢力地図が大きく塗り替えられつつあり、ユーザーの間には今後どうなるのか不安が拡がっています。そうした状況に対して、今後の方向を指し示していけたらと願っています。その具体的なツールが、セミナー初日で紹介する『Microsoft Office PerformancePoint Server 2007(以下、PerformancePoint Server)』です。」

 これはBIを“パフォーマンスマネジメント”の視点に特化して実践する上で、非常に有効なツールだと猪瀬氏は強調する。専門の技術知識をもたない社員でも、使い慣れた Excel と同様の操作感で、業績評価スコアカードや戦略マップ、分析チャート、KPI (主要業績評価指標) 予測グラフなどの分析レポートをすばやく簡単に作成でき、さらにここで得たデータをもとに予算編成や予測、連結といったプランニング作業が行えるという。つまり、さまざまなビジネス指標をもとに、データ分析から戦略立案までのフローを簡単に実行できるツールなのだ。

「セミナー初日では、この『PerformancePoint Server』を使ったBIの実践手法を、実例を交えながらご紹介していきます。特に大規模企業でのケーススタディは、他では見られないものと自負しています。ぜひご注目ください」(猪瀬氏)。


「やみくもに導入」から
「自社のロードマップに合わせて導入」への転換を提唱

【マネジメント】「難解で高価」のイメージを刷新するマイクロソフトのBIに注目!
マイクロソフト
エンタープライズマーケティング本部
ソリューションビジネス推進部
シニアカスタマーキャンペーンマネージャ
久木田弦氏
 ここでいったん視点を戻して、そもそもなぜマイクロソフトがこうしたBIの普及に力を注いでいるのか、その背景を同社 エンタープライズマーケティング本部 ソリューションビジネス推進部 シニアカスタマーキャンペーンマネージャの久木田弦氏にうかがってみよう。

「まず、企業の中にデータがあふれかえっているという現状があります。企業は膨大なデータをもてあましており、それらをきちんと整理して活用するどころか、漏えいや持ち出しから守るのに精いっぱいです。本来データは前向きに活用してこそ価値を発揮するものなのに、現状は非常に後ろ向きになっている。日本の企業の競争力を後押しするためにも、マイクロソフトがこの萎縮した状況の打開に貢献できればというのが、当社がいまBIに注力する理由の1つです。」

「2つ目に、データも組織も巨大化・複雑化しており、データが末端までいきわたらないことが挙げられます。情報の伝達や意思決定にスピードが求められているのに、大企業になるほどそれができる体制になっていない。この状況を打開するためにBIが非常に有効だということを、アピールしたいという思いがあります。」

 さらにマイクロソフトならではの提案として、「できるところからやりましょう」というメッセージを送りたいと久木田氏は言う。というのも、従来のBIツールの販売方法というのは、高価なツールをフル装備で一気に…というスタイルが多かったからだ。このためユーザーには、「たくさん買わされたが、はたしてこんなに多くの機能が必要なのか?』という疑心暗鬼が根強く残っている。これに対してマイクロソフトは、今もっとも重要なことは何なのか、ビジネスの全体を見てプライオリティをつけながら、順々に導入・整備していくことが大切だと説く。

「昔のように、導入するツールのシステム規模にプロジェクトを合わせるような本末転倒ではなく、自社のロードマップに合わせてツールを導入していくのが本当です。それができれば、せっかく高いお金を出して買ったツールが使われずに陳腐化していくこともありません。それだけに、まず自社のロードマップ=何を獲得目標にするのかが最重要事項になります。当社がツール優先でなく、『まず戦略ありき』を強調するのもそういう理由です。セミナー2日目の『全社の状況を可視化するための段階的な BI の導入とその構築ノウハウ』では、そうした考え方にもとづく実践例を、製造業でのケーススタディに即してご覧いただきます」(久木田氏)。


SQL Server をベースに
すべてのBI機能を追加コストなしで提供

 上で紹介したマイクロソフトの思想=「BIは戦略や獲得目標に合わせて、ステップごとに必要なツールを導入していくことが大事」というコンセプトが非常によくわかるのが、セミナー3日目の「SQL Server だけでこれだけ簡単にできる Business Intelligence」だ。

 「マイクロソフトのBIの基本機能は、すべてSQL Serverに含まれています。ユーザーは、その中からどの機能を自社の獲得目標に合わせて選び、展開していくかを考えればよいのです。このため、自社のBIシステムのスケールに合わせて導入が可能ですし、Windows環境によってMicrosoft Office Systemなど使用頻度の高いビジネスツールとの親和性も完璧に保証されています。ユーザーはプラットフォームの混在などに悩まされることなく、獲得目標に合わせてその時々に最適なBIツールをチョイスしていけば、最小限の労力とコストで最大限のBIの効果を得られるのです」と猪瀬氏は強調する。

 現在のSQL Server 2005には、データ変換・統合ツールである「Integration Services」、OLAPとデータ マイニングのための「Analysis Services」、グラフや帳票などのレポートの作成・公開・配布を行う「Reporting Services」といったBIに必要なコンポーネントが、すべて標準で付属している。このためユーザーはSQL Server 2005を導入してさえいれば、これらのBIコンポーネントを利用するときも、一切追加のコストを支払う必要がない。猪瀬氏が「マイクロソフトのBIは、SQL Serverをベースにしたオールインワン構成」と語る理由はここにある。

「今までBIツールというと、その都度高額な費用を払って導入するというイメージを抱いていた企業に、ぜひ『追加購入なしで利用可能なのだ』ということを知っていただきたいですね。加えて、Microsoft Office Systemなどをフロントエンドにして誰もがすぐにBI機能が使えることも重要です。社員の一人ひとりがBIツールを活用して自ら意志決定を行えるようになることが、本当の意味でのBIを実現することになるからです」(猪瀬氏)。

 マイクロソフトは長年にわたってツールの自動化や自律化を推し進め、より簡単なツール環境を提供することで、ユーザーであるオフィスワーカーが本来のビジネス創造により多くのエネルギーを注げることを製品哲学としてきた。今回のPerformancePoint ServerやSQL ServerのBIツール群にも、そうした同社のDNAが息づいているといってよいだろう。ビジネスデータの活用と新たな価値創出をBIによって実現したいと考える大企業の担当者にとって、今回のセミナーはまさに必見だ。

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