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- 2026/06/23 掲載
AI活用が“行き詰まる”組織の共通点…ガートナーが指摘「データカタログ失敗の罠」
データカタログ構築、多くの組織が陥る「最初の罠」とは
データとAIへの投資が活発になるほど、その前提として社内のデータを整理し活用できる状態にしておく重要性も増す。データカタログは、組織内のデータ資産の所在と意味を体系的に記録し、誰でも探して使えるようにする仕組みだ。しかし構築に乗り出しても思うように進まない組織は多く、ガートナー シニア ディレクター, アナリストのジェーソン・メッド氏はその背景にある問題を多角的に分析する。
シニア ディレクター, アナリスト
ジェーソン・メッド氏
中心にあるのは、「なぜカタログを作るのか」という問いが組織内で共有されていないことだ。データやAIの可能性を語る段階では、ビジネス部門もIT部門も活発に議論に加わる。だがデータ統合やカタログ構築といった具体的な作業の段になると、ビジネス部門は「これはITの仕事」と距離をおく。手間とコストばかりが目につき、その価値が見えにくいからだ。構築の初期には集中的な作業が必要で、ROI(投資対効果)が出るまでの期間も長い。
メッド氏は「データカタログに本気で取り組むなら、その価値と必要な労力を、最初に共有しておくべきです」と述べる。
収集が最も困難? 企業を悩ませる「4つのメタデータ」の現実
データについての情報、つまりメタデータには4種類ある。(1)テーブル構造やスキーマのようなテクニカルな情報、(2)データの流れや来歴を示すオペレーショナルな情報、(3)業務上の定義や関係性を記したビジネス情報、(4)日々の活用の実態を示すソーシャルな情報だ。ビジネスやソーシャルに近いほどビジネス部門の関与が必要になり、「このデータは何を意味するか」を理解するための手がかりが増える。
テクニカルやオペレーショナルなメタデータはデータソースに接続するだけで自動収集でき、相当量のメタデータが集まる。ところがビジネスに関するメタデータは違う。「この売上は返品を含むか」「顧客IDの定義はどの部門が持つか」といった業務上の意味は自動収集できず、現場の担当者が会議を重ねて定義を決め、個々のデータにタグとしてひも付けていく必要がある。手間は大きく、成果はすぐに見えない。
ビジネス部門の負担が重い割に成果が見えにくいことが、多くの組織のメタデータ管理を初期段階にとどめている。ガートナーの2024年の調査では、企業の約半数がメタデータ管理を手作業で行う初期段階にあった。テクニカルやオペレーショナルなメタデータは集まっていても、ビジネスの意味づけができていない組織が大半で、分析に生かす段階に進めていない。 【次ページ】「検索」への高い期待は要注意? 成功に導くユースケースの選び方
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