- 2025/06/24 掲載
クロスSWOT分析とは何か?事業戦略に活用できる実践的フレームワークを解説(3/3)
クロスSWOT分析のメリット
クロスSWOT分析には以下のようなメリットがあります。- 複数の視点から戦略案を導出できる
- 意思決定の精度・納得度が向上する
- 戦略の具体化・実行計画までつながる
- チームで議論しやすいフレームワーク
- 新たなビジネスチャンスやリスクの発見に役立つ
単純SWOT分析と比較した優位性
クロスSWOT分析は、従来のSWOT分析と比べて、より具体的な戦略立案に直結しやすいのが特徴です。下表にその違いを整理しました。
SWOT分析 | SWOT分析 | |
目的 | 現状認識・課題把握 | 戦略策定・実行計画作成 |
結果 | 要素リスト止まり | 具体的戦略タイプへ落とし込める |
議論の深さ | 比較的浅い | 多角的・体系的に検討できる |
チーム活用 | 要素ごとの議論が中心 | 戦略アイデア創出・優先付けが容易 |
戦略への影響 | 弱い | 強い |
このように、戦略立案プロセスにおいて実践的なアウトプットを得られる点が、クロスSWOT分析の大きな優位性です。
複合的視点で戦略の幅が広がる
クロスSWOT分析を用いることで、多角的な組み合わせによる多様な戦略オプションを生み出すことが可能です。
たとえば、IT業界の企業が「強み=開発スピード」「機会=生成AI市場の拡大」を掛け合わせてSO戦略を立案した場合、AI活用の新規プロダクト投入というダイナミックな成長戦略が導けます。
一方、弱みと機会を組み合わせるWO戦略としては、人材不足を業務提携やアウトソーシングで補完し、顧客ニーズの変化に迅速に対応する、といった柔軟な戦略も生まれます。
このように、単一視点では見落としがちな戦略オプションを多数発見できる点が、クロスSWOT分析の大きな魅力です。
盲点を発見できる効果
クロスSWOT分析では、4つの要素を掛け合わせるため、単独分析では気づきにくいリスクや機会の盲点を浮き彫りにできます。
たとえば、「弱み×脅威」のWT戦略を深く検討することで、最悪の事態への備えやリスク分散策を事前に練ることが可能です。
また、強みと機会のクロスで、既存事業では見えてこなかった新規市場の可能性を発見できることも多く、将来の成長エンジンを早期に掘り起こすことも期待できます。
このような「見落としの回避」や「予防的リスク管理」の観点も、クロスSWOT分析ならではの効果です。
まとめ
クロスSWOT分析は、複雑化するビジネス環境において戦略立案の精度と実行力を高める、実践的かつ強力なフレームワークです。SWOT分析から一歩進み、4要素の掛け合わせにより多角的な戦略オプションを発見できるため、新規事業開発や既存事業の改善、リスクマネジメントなど幅広いシーンで活用できます。
目的を明確にし、丁寧な情報収集と議論を重ねることで、組織全体で納得感の高い戦略策定を実現できるでしょう。
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