- 2026/05/19 掲載
サントリー元副社長の「人たらし術」をAIで再現…誰からも信頼される“神プロンプト”
アクト・コンサルティング 取締役
経営コンサルタント
大手コンサルティング会社を経て、現職。
製造業、情報サービス業などの、事業戦略、IT戦略、新規事業開発、業務革新、人材育成に関わるコンサルティングを行っている。
公益財団法人 大隅基礎科学創成財団 理事。
関連著書『正しい質問』アマゾン、『イノベーションのリアル』ビジネス+IT、『ダイレクト・コミュニケーションで知的生産性を飛躍的に向上させる 研究開発革新』日刊工業新聞、等
Xアカウント:https://x.com/ACT_noma/
アクト・コンサルティング
Webサイト: http://www.act-consulting.co.jp
チャンスが集まる、「また会いたくなる人」になる方法
今回ご紹介するのは、「あの人ともう一度話したい」「あの人に相談したい」と相手に思わせるためのAIプロンプトです。これは営業先との関係構築、社内での企画の根回し、新しいプロジェクトの仲間集めなど、多くのビジネスパーソンが明日の業務からすぐに活用できる内容です。
ただ、その思考プロセスを生成AIで的確に再現するには、まずトップイノベーター自身が「どのように相手の課題を捉え、考えていたのか」を理解することが近道です。
そこで前半では、元サントリー食品インターナショナル副社長・辻村英雄氏の過去インタビューからその卓越した視点を紐解きます。ここで紹介する辻村氏の方法は、単に商談や面談を円滑に進めることにのみならず、ネットやAIを通じて誰もが入手できる情報ではなく、有識者と直接会い、対話する中でしか得られない知見を競合よりも早く、深く把握しそれをイノベーションにつなげるための方法です。
後半では、その思考プロセスを日々の業務でそのまま再現できる実践的なプロンプトを複数ご用意していますので、ぜひ最後までご覧ください。
──研究開発や新規事業において、人脈作りはどのように実践されてきたのでしょうか。いかがでしょうか。辻村氏の言葉からは、取引先や社内の関係者との時間を「単なる雑談や顔合わせや名刺交換」で終わらせず、自分の成果(=新しい仕事や有益な情報)に直結させるための本質的な「思考のロジック」が見えてきます。
辻村氏:研究者は皆、人脈が重要なことは理解しているはずです。しかし、その実践の度合いや深さには大きな個人差があります。社内外の有識者と強いつながりを作り、「また会いたくなる相手」として信頼されれば、有益な情報を真っ先にもらえるようになります。実際、原料メーカーの方との会話から新しい素材研究を知り、共同研究やイノベーションのヒントを得た経験は何度もあります。
──「また会いたくなる相手」として信頼されるには、どのような努力が必要ですか。
辻村氏:重要なのは、「相手のためになるファクト、助言、意見を提供できる関係」を築くことです。これがなければ、長い付き合いは成立しません。
たとえば飲み会の席であっても、相手の悩みが分かれば、楽しく会話しながらも頭の中では必死に助言を考えます。深い専門知識までは分からなくとも、相手の課題の構造を理解できるレベルまでは、事前に知識を身に付けておく必要があります。これを常に心がければ、さまざまな問題に対する解決能力が高まりますし、何より自分の助言で相手が喜んでくれることが、自身の喜びにもなります。
──そうした人脈から得た知識や気付きは、どのように成果へと結びつけるのでしょうか。
辻村氏:それには、「シナリオ」が重要になります。
たとえば、ダイエットに非常に効果的な機能性素材を発見したとします。しかし、製造コストが非常に高かったらどうするか。すでに黒烏龍茶や伊右衛門「特茶」など売れ筋のトクホ商品がある中で、マーケティング部門は関心を示さないかもしれません。ここで「面白い素材だけど諦めるか」と引き下がってはおしまいです。
技術力でどこまでコストを下げれば実用化できるか。既存商品のターゲットとは異なる層を狙えないか。海外市場にニーズはないか。既存素材との組み合わせで劇的に効能を強化できないか──。新規成分の良さを単に訴えるだけでなく、最終商品の形やコンセプト、マーケティング手法までを一気通貫で考え、シナリオを描いて提案することが重要です。
シナリオを明確に語れなければ、いくら良い技術も埋もれてしまいます。まずは研究者自身がシナリオを考え、それを社内外の人脈(※機密保持には配慮しつつ)にぶつけて知恵をもらい、内容をブラッシュアップしていくのです。
──シナリオがあるからこそ有識者に相談に行けるし、そこでの気付きがさらにシナリオを強くするのですね。
辻村氏:その通りです。そしてシナリオを描くには、社会の事象や今後のトレンド、社会的課題と技術を結びつける知識が不可欠です。有識者との対話から知識を得ることもあれば、彼らと対等に話すために自ら猛勉強することもあります。そうした努力のすべてが、イノベーションを引き起こすシナリオの材料となるのです。
ここからは、このトップイノベーターの思考を体系化した「3つのロジック」を解説します。さらに、その天才的なアプローチをご自身の業務で再現できるよう設計した「実践用AIプロンプト」を一挙に公開します。明日からの商談や面談の質を劇的に変えるツールとして、ぜひ活用してみてください。
成果を生む人はここが違う、3つの勝ち筋
現状の延長線を超える価値(イノベーション)を生み出すには、ネットやAIでは得られない「有識者との対話から得られる1次情報」が不可欠です。辻村氏のインタビューから読み取れる、成功のためのロジックは以下の3点に集約されます。会った際に、相手のためになるファクトや助言を提供し、強い信頼関係を築く。
2.事前準備を徹底する
会話の中で相手の悩みを瞬時に理解できるよう、事前に相手の背景や関連知識をインプットしておく。
3.仮説としての「シナリオ」を持つ
自分が実現したいイノベーションのシナリオ(ゴールまでの道筋)を事前に描くことで、相手から聞き出すべき情報が明確になり、ヒアリングの質が高まる。
ここまで努力を徹底できる人は決して多くありません。だからこそ、これが個人の強みになり、ひいては企業の強力な差別化の源泉となるのです。
【AIプロンプト付き】事前準備で勝負は決まる…商談・面談の成功率を上げる方法
ここまで、イノベーションを起こすためには「相手の悩みを見抜き、適切な助言をする」「仮説となるシナリオを描いておく」ことが重要だとお伝えしました。しかし、いざ自分が実践するとなると、「有識者を前にして、的確なアドバイスなんてできるだろうか」「どんな事前準備をすればいいか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、辻村氏のようなトップイノベーターの思考プロセスをそのまま再現できる「事前準備用のAIプロンプト」をご用意しました。
このプロンプトを使えば、会うべき相手の解像度を高め、どのような情報を提供すれば相手に価値を感じてもらえるか(=また会いたいと思ってもらえるか)を、AIが瞬時に整理してくれます。実りのある議論を交わすための「最高の壁打ち相手」として、具体的な活用例とともにプロンプトの全貌を公開します。 【次ページ】コピペで試せる、面談前の準備を最適化する「AIプロンプト」
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