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  • 2008/07/09

【SaaS特集】総務省のASP・SaaSに対する取り組み--総務省 香月氏

キーパーソンが語る「SaaS」の未来とその可能性

最近、官公庁周りがSaaS/ASP(文中はASP・SaaSと表記する)で騒がしい。中でも総務省は、「ASP・SaaS普及促進協議会」の設立後、「ASP・SaaSの安全・信頼性に係る情報開示指針」を公表するなど、普及に積極的だ。そうした動きの背景と狙いについて、総務省の香月氏に話を伺った。


ICTによる生産性向上を目指し、ASP・SaaSに注目

香月健太郎氏

総務省
情報通信政策局 情報通信政策課
新事業支援推進官
香月 健太郎氏

郵政省(現総務省)入省。2002年、情報通信政策局課長補佐。2005年、金融庁監督局課長補佐に就任し、 電子マネー、ファンドなどの規制・監督を担当。2007年7月より現職に就任し、主にICTによる生産性向上 に向けた施策の企画・立案を担当。

──日本企業のICT競争力向上のため、2007年5月には「ICT国際競争力プログラム」を策定し、官民一体となった取り組みを推進していると思います。日本企業の ICT競争力強化に向けた課題と今後の方向性についてどのような考えをお持ちでしょうか?

 改めて申し上げるまでもありませんが、ICT産業の実質 GDP成長率に対する寄与率は約4割であり、 ICT産業は我が国の経済成長を牽引していますが、グローバル市場における携帯電話機、ネットワーク関連機器、ソフトウェアなどの日本企業のシェアは必ずしも高いとは言えません。人口減少下において、我が国の経済成長力を強化していくためには、こうした「ICT産業」の“競争力”を強化していくことと、「ICTを利用する側(企業)」における ICTの利用を促進し、“生産性向上”に結びつけていくこととを、車の両輪として推進していくことが必要だと考えています。

──現在、総務省ではASP・SaaSの普及に積極的に取り組んでいるとお聞きしていますが、その背景や狙いについてお聞かせください。

 今お話した2点のうち、特に後者、すなわちICTの利用を促進するため、我々が注目しているのが、ASP・SaaSの普及です。我が国のシステム投資の傾向を見ますと、オーダーメイド、カスタマイズを選好する企業が多いと言われています。これは、業務の改革をしないまま、システムを業務に適合させようとする傾向が強いということだと思います。結果として、部門ごと、企業ごとに閉じたシステムが構築され、他のシステムとの連携が煩雑になっていると考えられます。

 ICTを企業の生産性向上に活かしていくためには、ICT投資や利用のあり方を見直すべきではないか、つまり、自ら「所有」し「作る」システムという発想から、他者のシステムを「利用(共用)」するという発想への転換が必要だと思います。業務の内容によっては、引き続き自らシステムを「作る」ことが必要だと思いますが、「共用」できるところは「共用」し、効率化を図ることが必要です。利用者の必要とする ICTシステムの機能を、ネットワークを通じて利用できる ASP・SaaSは、まさにこうした発想の転換を具現化するものと考えています。

ASP・SaaSで中小企業のデジタルディバイド解消を狙う

──総務省では、昨年、特定非営利活動法人 ASP ・SaaSインダストリ・コンソーシアム(ASPIC)と「ASP・SaaS普及促進協議会」を立ち上げ、各種検討を行っていると聞いています。なぜ、このタイミングでこうした施策の取り組みを加速化させているのですか。

 総務省では、我が国のブロードバンド整備に重点的に取り組んできました。民間事業者の努力により、現在では世界最先端のブロードバンド環境が整備されています。つまり、我が国は最も ASP・SaaSを活用しやすい環境が整っていると言えます。にもかかわらず、ASP・SaaSの活用は、まだ十分には進んでいません。総務省の直近の調査でも、ASP・SaaSを利用している企業は1割程度にすぎません(図1)。ブロードバンド基盤が整備された今こそ、 ASP・SaaSをうまく活用し、企業の生産性向上に結びつけていくことが重要だと考えています。

図1 ASP・SaaSの利用状況

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