- 2025/12/18 掲載
ファンマーケティングって効果ある? 経営層の“激詰め”を跳ね返す「最強KPI」設定術
web3の総合コンサルティング企業、0x Consulting GroupにてChief Growth Officierを務める。大手企業からスタートアップまで、複数プロジェクトのweb3マーケティングとファンコミュニティ形成を支援。2017年からブロックチェーンの技術に触れ、トークンを活用したエコシステムとコミュニティ形成に関心を持つ
ファンマーケティング実践に重要な「3つの戦略」
ファンマーケティングの成果は、短期的な「盛り上がり」ではなく、長期的な「売上貢献」を検証できる設計によってはじめて発揮されます。今回は、この“考え方”を、組織内で回し続けられる運用に落とし込むための方法について、具体的には、この戦略を支える「1.運営体制設計」や「2.データ基盤の整え方」、「3.実際の運用方法」から「4.経営層への報告方法まで」といった、現場で欠かせない具体的なオペレーションについて解説していきます。
ファンマーケティングは、顧客との関係構築という性質上、従来のマーケティング部門だけでなく、商品開発、店舗、カスタマーサポートといった複数の部門にまたがる活動です。そのため、適切な役割分担(R&R:Roles and Responsibilities)と意思決定の体制決めが不可欠です。
ファンマーケティングの運用において、組織内で明確にすべき役割は主に下図の3つです。
このように役割と権限を明確にすることで、現場は「目の前のファン満足度」に集中しつつ、責任者レイヤーは「最終的な事業への貢献」と「そのバロメータに合わせたコミュニティ戦略・戦術」の意思決定を行う、という機能的な運用体制が構築できます。
KPI計測はどう行う?
ファンマーケティングのROIが見えづらいのは、施策と売上の因果関係を追跡できるデータ基盤がないためです。しかし、高額なシステムは必要ありません。重要なのは、「顧客ID」によるデータの連携です。ファンマーケティングの成果検証に必要なのは、次の2つのデータが「顧客ID」で紐づけられていることです。
- コミュニティ活動データ(先行指標):
- ファンコミュニティへの参加履歴、UGC投稿履歴、公式LINE通知の開封率、アンケート回答、イベント参加など。
- 購入履歴データ(結果指標):
- いつ、何を、いくら買ったか(客単価、来店頻度、LTVなど)。
この2つが紐付くことで、「UGC投稿が活発なファン層は、そうでない一般のリピート客よりも客単価が15%高い」といった、活動と購買行動の因果関係を具体的に検証できるようになります。
KPI計測にあたっては、KPIダッシュボードを整備しましょう。
KPIダッシュボードは、先行指標(活動)の変動が、時間差でどのように結果指標(売上)に影響するかを計測、検証する仕組みです 。これこそが、ファンマーケティングの「費用対効果(ROI)」を経営層に説明するための鍵となります 。
【次ページ】経営層への報告で「激詰め」される“NGパターン”とは
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