- 2026/02/09 掲載
ソフトバンク「AIクラウドの企業へ」第3四半期は全事業増収で通期予想を上方修正
ハイパースケーラーに対抗しうる「ソブリンクラウド」の提供を目指し、AIインフラ整備を加速
今回の決算における最大のトピックは、同社が掲げる「次世代社会インフラの構築」に向けた事業構造の転換である。宮川社長は、AIデータセンター向けのソフトウェアスタック「Infrinia AI Cloud OS」を導入し、GPU計算基盤をクラウドサービスとして提供する計画について説明した。このシステムは、ソフトバンク自身の学習・推論環境を効率化するだけでなく、将来的には他社への外販や海外展開も視野に入れている。マイクロソフトやグーグルといった米国のハイパースケーラーに対抗しうる「ソブリンクラウド」の提供を目指し、AI需要の拡大に対応するインフラ整備を加速させる方針である。
主力であるモバイル事業においては、契約数の規模拡大よりも「質」を重視する戦略への転換が進められている。スマートフォンの契約数は前年同期から約70万件増加し3196万件となったが、直近3カ月では約10万件の純減となった。これは、短期解約を繰り返す「ホッピングユーザー」への対策を強化し、長期利用ユーザーを優遇する方針へ切り替えた結果である。宮川社長は、端末割引競争が海外ベンダーを利する構造になっていると指摘し、規制の見直しや長期利用者への還元強化を訴えた。
インフラ設備の効率化と次世代通信網の構築も進む。ソフトバンクはソニーネットワークコミュニケーションズと合弁会社を設立し、光回線設備の構築・運用を統合することで合意した。NTT局舎内の設備や光ファイバーを共用することで、投資効率の向上とコスト削減を図る。また、非地上系ネットワーク(NTN)分野では、成層圏通信プラットフォーム(HAPS)や衛星通信の展開を準備しており、2026年中のプレ商用サービス開始を目指している。宮川社長は衛星通信について、将来的には日本製の衛星により国内の通信環境に最適化されたサービスを提供することが理想であるとの見解を示した。
好調な業績進捗を受け、同社は2026年3月期の通期連結業績予想を上方修正した。売上高は従来予想から2500億円増の6兆9500億円、営業利益は200億円増の1兆200億円、純利益は30億円増の5430億円へとそれぞれ引き上げられた。また、経営体制の変更も発表され、22年間にわたりCFOを務めた藤原和彦氏が退任し、2026年4月より現財務統括の秋山修氏が新CFOに就任する。
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