• 2026/04/16 掲載

なぜ企業YouTubeは全然伸びない?真面目な会社ほど広告費を「ドブに捨ててる」3つのNG

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「動画の時代」と言われる現代において、企業による動画活用が当たり前になりました。自社のYouTubeチャンネルを立ち上げ、試行錯誤しながら動画を投稿しているものの、「思うように再生されない」と悩む企業は少なくありません。そこで今回、人気YouTube番組「令和の虎」の制作および出資者(虎)として携わる、YouTubeマーケティング会社Suneight代表の竹内 亢一氏が、企業動画が再生されない3つの共通点と成功する3つのカギについて解説します。
執筆:Suneight 代表取締役 竹内 亢一

Suneight 代表取締役 竹内 亢一

1981年三重県生まれ。中学卒業後にミュージシャンを目指し、鞄ひとつで上京。バンド活動で訪れた海外で「映像」の可能性の大きさに注目し、2006年より動画制作を独学で始める。YouTuberやコンテンツマーケティングといった言葉が日本で広まる前からYouTubeに着目し、2013年YouTubeマーケティング会社「Suneight」を設立。『マーケティングは統計学だ!!』を掲げ、創業以来蓄積した膨大な動画データを軸に、独自の方程式で動画マーケティングを展開。多くの企業の売上拡大や成長を支援している。現在は「令和の虎」にも出演中。関わったチャンネルで金の盾3枚、銀の盾29枚獲得し、国内有数の実績を持つ。著者に『知名度の上げ方 1年で10,000人のファンをつくる法則』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

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Suneight代表の竹内 亢一氏が企業動画で成功する秘密を教える
(Suneight提供)

なぜ「企業チャンネル」で成果が出ない?

 これまで360チャンネル以上の企業の動画施策に関わってきましたが、動画に関する悩みは驚くほど共通しています。「YouTubeチャンネルを作ってみたけれど、再生数が伸びない」「広告費をかけているのに、問い合わせや採用につながらない」。

 なぜ企業の動画は再生されず、成果に結びつかないのか? それは企業が伝えたいことと視聴者が見たいものに、大きなズレがあるからです。

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【画像付き記事全文はこちら】
令和の虎に出演するSuneight代表の竹内 亢一氏
(Suneight提供)

 「当社はこういう会社です」「この商品にはこんな強みがあります」「創業時の想いとしては―」。企業としては、どれも正しい情報ですし、真面目に考えている証拠でもあります。ただ、視聴者側から見ると、その瞬間に「あ、宣伝だな」と判断されてしまいます。

 視聴者が本当に知りたいのは「この会社がどれだけすごいか」ではなく、「この動画を見ることで、自分の人生がどう良くなるのか」という1点です。

 たとえば、「この商品によって、いま抱えているどんな悩みが解消されるのか?」「このサービスを使ったら、日常や仕事はどう変わるのか?」。その未来が具体的にイメージできない動画は、どれだけ広告費をかけてもすぐに飛ばされてしまいます。

 もう少し深掘りをすると、再生されない動画には3つの共通点が潜んでいます。

再生されない動画に潜む「3つの共通点」

(1)動画の「旬」を理解していない
 1つ目は、動画にも「旬」があるという認識が欠けていることです。昔タピオカドリンクが流行ったからといって、今からタピオカドリンク屋を始めようとは思いませんよね。動画も同じで、撮り方、テンポ、構成、演出には、その時代の“勝ちパターン”があります。

 それにも関わらず、多くの企業は十分なリサーチを行わず、我流で動画を制作してしまっています。しかし、伸びている動画は決して偶然の産物ではありません。必ず「伸びる理由」が存在します。

 僕はよく「マーケティングは統計学だ」と言っているのですが、ゼロから思いつきで作った動画と、すでに成果が出ている動画を徹底的に分析・研究してそのエッセンスを取り入れて作った動画、どちらにBETしたほうが勝つ確率が高いかは言うまでもありません。

(2)万人受けを狙った結果…
 2つ目は、万人受けを狙ってしまうことです。たとえば、ある商品を売り出したい場合、軽くて、滑らかで、デザインも良くて、値段も安くて…と、魅力をあれもこれも伝えたくなるのが一般的だと思います。企業としては、良い点をすべて伝えたくなる気持ちは分かります。

 ただ、あれもこれも伝えようとした結果、結局何がウリの商品だったのか何も残らないというケースが少なくありません。だったら「軽さ」を求めている人だけに向けて、軽さに特化した動画を作る。そして「滑らかさ」を求める人には、滑らかさだけを語る動画を別で作る。

 刺さらない人を切り捨てる覚悟がない動画は、結果的に誰の記憶にも残りません。これは冷たい話ではなく、マーケティングとして誠実な判断だと僕は思っています。

(3)目的別設計(3H戦略)ができていない
 3つ目は、動画の目的設計が曖昧なまま制作されていることです。多くの企業動画では、その動画を誰に・何を・どのフェーズで届けたいのかが十分に整理されていません。

 グーグルが提唱する「3H戦略」では、動画を目的別に次の3種類に分類して設計します。

  • Hero:認知拡大や話題化を狙う動画
  • Hub:継続的な視聴を通じて理解を深め、ファン化を促す動画
  • Help:検索ニーズに応え、課題解決を支援する実用型動画

 しかし実際の現場では、「認知も広げたい」「理解も深めたい」「購入も後押ししたい」といった複数の目的を1本に詰め込んだ“全部入り動画”が作られがちです。その背景には、開発・営業・PR・マーケティングそれぞれの立場で重視するポイントが異なり、社内のベクトルがそろっていないという問題があります。

 この整理をしないまま動画を制作すると、「誰に向けた動画なのか」「何をしてほしいのか」が曖昧になります。目的がぼやけた動画は、ほぼ例外なく再生されません。

 再生回数はあくまで“結果”です。YouTubeでは、高評価・コメント・共有・チャンネル登録といった視聴者の能動的なアクションであるエンゲージメント指標が高い動画ほど「関連動画」に表示され、インプレッションが拡大します。

 逆に、誰に向けた動画か曖昧なまま制作された“全部入り動画”は、視聴者がアクションを起こしにくく、表示機会が広がりません。結果として再生されない動画になります。

 「内容として良い動画」と「再生される動画」は別物なのです。 【次ページ】動画で人の心を動かす「成功のカギ3つ」
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