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- 2026/05/19 掲載
外食・介護が崩壊? 日本から「外国人労働者」が逃げていく“残酷な理由”
経済、不動産分野のライター。小売・飲食を中心とした企業分析記事や、都市開発、不動産市況に関する記事を手がける。理系の会社員だったが、ライター業に専念するため独立した。趣味で簿記・ファイナンシャルプランナーの資格を取得する。
実は「就労不可」も多い? 国内400万人の外国人の実態
2025年末時点で在留外国人の総数は412万5392人だ。このうち在留資格「永住者」を保有するのは約95万人で全体の23%を占める。「定住者」は約23万人で、「日本人の配偶者等」は約15万人だ。これらの在留資格に活動制限はなく、日本人と同様にどんな仕事に就いても良いし、働かなくても問題はない。このほかの在留資格は主に活動制限が設けられている。永住者に次ぐ規模の「技術・人文知識・国際業務」は48万人弱(11.5%)で、技術者や通訳、語学講師などに従事している。第3位の「留学」は約46万人で、文字通り大学や日本語学校の留学生であり、基本的に働くことはできないが、資格外活動の包括許可を得れば1週間で28時間まで働くことが可能だ。
「技能実習」と「特定技能」は比較的最近にできた在留資格であり、前者は46万人弱、後者は約39万人だ。両者とも職種・業種ごとに分類され、日本人のように自由に転職することはできない。
名ばかり制度の限界…「技能実習」のリアルな実態
約413万人の外国人のうち、外国人労働者として働いているのは2025年末時点で約257万人だ。国内の労働力全体(約7000万人)のうち、4%を占める。外国人労働者は2010年時点で約65万人であり、当時は主に永住者や定住者、技術・人文知識・国際業務や留学生などが中心だった。だが、2010年に新たな在留資格として「技能実習」が追加され、2019年に「特定技能」の受け入れが始まると、労働者数が増えた。この間に留学生によるアルバイトも増えていく。
技能実習制度は名目上、外国人に日本で技術を習得してもらい、帰国後に技術を生かしてもらうという制度だ。技能実習1~3号の資格があり、最長で5年間の在留資格がある。しかし実質的にはブルーカラー向けの期間労働者と言わざるを得ない。法務省の資料によると、2024年末の45.7万人中、とび職など建設関係に従事するのは10.7万人で、食品製造関係には9.3万人が従事している。プレス工場などの機械・金属関係は6.1万人で、農業・林業関係は3.2万人だ。
群馬県太田市のように自動車メーカーの企業城下町では、下請け企業が技能実習生を採用する事例が多い。実習生は寮から自転車で通勤し、1日に8時間勤務する。生産ラインで完成した部品を搬送用容器に並べるなど単純作業が中心だ。
だが、このように、安価な労働力として彼らを扱う時代は確実に終わりを告げようとしている。では、どうすれば人材を確保できるのか。続いて、人手不足地獄を救う「特定技能」が驚異的な定着率を叩き出している理由と、その裏で静かに進行している“過酷なリアル”に迫る。 【次ページ】日本が外国人に避けられる? 企業に迫る過酷な選択
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