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- 2026/05/12 掲載
市場停滞でも上位4社は好調?カインズ・コメリら「ホームセンター企業」の巧妙な戦略
経済、不動産分野のライター。小売・飲食を中心とした企業分析記事や、都市開発、不動産市況に関する記事を手がける。理系の会社員だったが、ライター業に専念するため独立した。趣味で簿記・ファイナンシャルプランナーの資格を取得する。
カインズ:売上高5000億円突破…“強すぎる集客力の秘密”
業界最大手カインズの2025年2月期売上高は5,738億円で、同期末時点の店舗数は256だ。標準店の売場面積は1800~2400坪で、大手4社の中では最大級である。ジョイフル本田(3000坪超)よりは小さいものの、後述するDCMよりは広い。カインズは1978年、群馬地盤の小売チェーン「いせや」(現ベイシアグループ)のホームセンターとして開業した。1989年に分社独立した後、1996年には売上高1,000億円を達成し、2007年に3,000億円を超え、2023年に5,000億円を達成した。現在では北海道から沖縄まで全国的に展開している。
非上場企業なので情報が限られるが、商品開発や出店地の開発、物流などの面でベイシアグループの資源を生かしていると考えられる。2007年には「SPA宣言」を行い、イオンやアパレル各社のようにプライベートブランド(PB)の開発に注力。PB比率は4割を超えるとされ、低価格の家庭用品や日用消耗品、家具類などが高い集客力につながっている。キッチン用品やペット用品なども販売。GMS(総合スーパー)のように、一般の消費者向けに強みを持つ。
近年ではDXに注力しており、アプリで在庫を検索できるほか、新店では商品の売場を検索できるサイネージの設置を進めている。なお、2022年3月には東急ハンズを子会社化し、後に商号をハンズに変更した。都市部を強化する狙いがあると見られる。
DCM:まるでイオン? スケールメリットで狙う“ある戦略”
DCMホールディングスの2025年2月期売上高は5,446億円で、同期末時点の店舗数は843。1店舗当たりの売場面積は約1080坪で平均的なサイズだ。DCMはイオンのように複数社の統合で成長してきた。2006年にカーマ、ダイキ、ホーマックの3社が統合してDCM Japanホールディングスを設立。2010年に現社名に変更した後、2022年に屋号を「DCM」に統一した。源流の3社はそれぞれ東日本・中部・西日本で展開していたが、2006年の経営統合でDCMは全国的なチェーンとなった。経営統合は、取引先の共通化による仕入れコストの削減、資金調達力の強化などを目的としており、市場が停滞する局面でスケールメリットを狙った形だ。
また、2010年代後半から積極的にM&Aを進めており、「くろがねや」や「ケーヨーD2」などを傘下に収めている。DCMは良くも悪くも「一般的なホームセンター」であり、プロ向けから一般向けをそろえる。カインズと同様、2009年からPBに注力しているが、その比率は30%弱でカインズを下回る。
なお、新規出店による成長は鈍化している。2024年2月期・2025年2月期の成長はケーヨーの子会社化によるもので、2026年2月期は第3四半期までの実績で減収減益であり、巨大チェーンでも成長鈍化は避けられていない状況だ。
続いて、王道路線と“真逆の戦略”で10年で急成長を遂げた「コーナン」のカラクリを解き明かしていこう。 【次ページ】コーナン:10年で急成長、競合が手を出せない出店のカラクリ
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