- 2026/07/04 掲載
米アンソロピック、独自AIチップ製造でサムスン電子と協議を開始
サムスンの最先端である2ナノメートル製造プロセスの活用
アンソロピックは現在、自社データセンターの稼働においてアマゾンやグーグル、エヌビディアの既存チップを利用しているが、独自チップの開発に向けた社内体制の構築を急ピッチで進めている。この動きを裏付けるように、同社は2026年6月、競合のオープンAIで独自チップ開発プロジェクトの中核を担っていたエンジニアのクライブ・チャン氏を引き抜いた。
チャン氏はオープンAIにおけるハードウェア部門の初期メンバーとして約2年半在籍しており、アンソロピックでも自社製AIアクセラレータの開発実務を担う。アンソロピックはサムスン以外にも複数の半導体設計企業と接触しており、具体的な設計や仕様の策定を進めている。生成AIの開発競争が激化する中、膨大な計算リソースの確保とインフラコストの削減は各社共通の課題となっている。
現在、AI向け半導体市場はエヌビディアが約7割のシェアを握り独占的な地位を築いているが、特定企業への依存リスクを避けるため、独自のカスタムチップを開発する動きが業界全体で相次いでいる。オープンAIが6月にブロードコムと共同開発した推論用チップ「Jalapeno」を発表したほか、グーグルやメタなども自社製半導体の導入をすでに拡大している。
アンソロピックは2026年5月に実施したシリーズHの資金調達で650億ドルを集め、企業評価額を965億ドルに引き上げた。この投資ラウンドにはサムスン電子のほか、SKハイニックスやマイクロンといった主要なメモリー半導体メーカーも直接出資しており、ハードウェアサプライチェーンとの強固な連携を築いている。今回の製造委託に関する報道を受け、7月2日の米国株式市場ではエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、ブロードコムなどの半導体関連銘柄が取引時間中に下落した。
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